第十四話 【????サイド】謎の存在、勇者たちが犯罪者になったと知り爆笑する

 勇者たちがボナコンの討伐に失敗し、勇者たちが引き寄せたボナコンたちによってインゴット王国の王都が壊滅し、勇者たちが国王によって国家反逆罪で犯罪者として投獄されたその日のこと。

 異世界アダマスのとある真っ暗な闇の広がる空間に、一人の存在がいた。

 真っ暗な闇の中、その存在は、勇者たちがボナコンの討伐に失敗し、勇者たちが引き寄せたボナコンたちによってインゴット王国の王都が壊滅し、勇者たちが国王によって国家反逆罪で犯罪者として投獄された事実を知り、自身の想像を超えた勇者たちの醜態ぶりに一人、大爆笑していた。

 「プッ、プハハハハハハ!あ~、笑い過ぎて腹が痛い。何だ、あの勇者たちの馬鹿っぷりは!?大体、Lv.20ごときでSランクのボナコンの群れを討伐するなど、絶対に出来るわけがないだろうに。あの勇者たちの頭は相当悪いらしいな。討伐に失敗した挙句、おめおめと逃げ帰り凶暴化したボナコンたちを王都に引き寄せて王都を壊滅させる、そんなアホで腰抜けの勇者など初めてみたぞ。おまけに、違法薬物を使用するわ、強盗はするわ、勇者全員が犯罪者になるわ、投獄されて処刑を宣告されるわ、本当につくづく碌でもない連中だな。あんな連中を勇者に選んだと今更気付いて、リリアの奴もさぞ後悔してることだろう。勇者が全員犯罪者になって投獄されるなど、前代未聞の珍事だぞ。こんな調子なら、あの勇者たちもリリアも勝手に自滅していくに違いない。わらわが選んだあの少年は、「黒の勇者」は順調に成長し、ことごとくリリアの計画を邪魔してくれている。さすがは妾が見込んだだけのことはある。まぁ、いずれは妾の夫になるわけだし、それくらいできて当然だがな。この調子で行けば、あの少年が必ずリリアの計画を破綻させてくれる。そして、あの馬鹿女を破滅へと追い込んでくれることだろう。ああっ、共にあの馬鹿女の破滅する姿を見る日が待ち遠しいぞ、少年。早く妾を迎えに来てくれ。」

 真っ暗な闇の中、謎の存在が恍惚とした笑みを浮かべていた。












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