第三話 【処刑サイド:勇者たち】勇者たち、離反者が出る、そして、二度目の遠征も空振りに終わる

 主人公、宮古野 丈がラトナ公国で冒険者活動を始めて間もない頃。

 勇者たちの最初の遠征が空振りに終わり、勇者たちの歓迎パレードが無観客で終わり、おまけに聖剣まで失われるというショッキングな発表があった日から二日後のこと。

 インゴット王国冒険者ギルド本部より、勇者たちの実戦訓練向けの依頼が見つかったとの報告が入り、勇者たちは二度目の遠征へと向かうべく準備をしていた。

 準備を終えた勇者たち一行は城門前に集まり、待機していた。

 だが、ここで問題が起こった。

 集合時間になっても、集まらない者たちがいたのだ。

 「おい、敦の奴、遅くないか?他にも何人か姿の見えない奴がいるなぁ?一体どうしたんだ?みんな、敦や他に来ていない奴の姿は見ていないか?」

 「勇者」にして「光の勇者」、現勇者筆頭の島津 勇輝が、他の勇者たちへと訊ねた。

 しかし、皆、首を傾げ、誰もまだこの場に来ていない者たちがどこにいるのか、知らない様子だった。

 「マリアンヌ、君は敦たちがどこに行ったか知らないか?」

 島津が、今回も遠征の案内役を務めるマリアンヌ姫に訊ねた。

 「いえ、私もマエダ様たちがどこにいるのか存じ上げません。昨日、訓練場で確かに集合時間はお伝えしたはずですが?」

 マリアンヌ姫も思わず首を傾げた。

 「一体どこで油を売ってるんだ、まったく。」

 島津たち勇者一行が、前田たち姿の見えない勇者たちが来るのを待っていると、一人の騎士が慌てた様子で、彼らの前に走ってやってきた。

 「姫様、それから勇者様たちに緊急のご報告があります。先ほど、王都の街中をパトロール中の騎士たちから連絡がありました。「剣聖」のマエダ様外4名の勇者様たちが、ラトナ公国行きの特急馬車に乗って王都を出て行かれたとのことです。見かけた騎士たちが声をかけようとしましたが、あっという間に馬車が出てしまい、引き留めることもできなかったとのことです。」

 騎士の報告を聞いて、姫と勇者たちは驚いた。

 「何ですって!?マエダ様たちが馬車に乗ってラトナ公国へと向かったと!?一体なぜ、まさか、「火の迷宮」を攻略するおつもりなのですか?だとしたら、すぐにお止めしなければ!大変なことになります!」

 「マリアンヌ、大変なことになるって一体どうゆうことなんだ!?」

 「はい、シマヅ様。ラトナ公国には「剣聖」専用の聖武器、聖双剣がある「火の迷宮」と呼ばれるダンジョンがございます。恐らく、マエダ様たちは「火の迷宮」を攻略し、聖双剣を手に入れるおつもりでしょう。ですが、今のマエダ様たちの実力で「火の迷宮」を攻略することは恐らく不可能です。はっきり言って、無謀としか言えません。あのダンジョンには大量のモンスターたちが出現し、また、大量の罠が仕掛けられています。SランクモンスターやAランクモンスターが大量に襲いかかってくるのです。さらに、聖双剣を守るモンスターはSSランク以上のモンスターと言われ、Sランクモンスターをはるかに超える力を持った恐るべきモンスターなのです。ダンジョンを攻略するには、「七色の勇者」様たち全員が揃った上、勇者様たち全員がS級冒険者としての確かな実力を備えた状態でなければいけません。モンスターとの実戦経験も皆無で、S級冒険者として十分なレベルに到達していない今のマエダ様たちの実力では、ダンジョンに入ったが最後、攻略もできず、モンスターたちの餌食になる恐れがあります。早くお止めしなければ、マエダ様たちは死んでしまいます。」

 「それはマズい。早く敦たちを連れ戻そう。僕たちもラトナ公国へ行って、敦たちを連れ戻すのに力を貸そう。」

 「いえ、その必要はございません。マエダ様たちは城の部下たちに命じて、すぐに連れ戻させますので、ご心配には及びません。シマヅ様たちは今回の遠征に集中してください。そこの騎士たち、今すぐラトナ公国へと向かったマエダ様たちを連れ戻してきなさい。ラトナ公国との国境付近にいる騎士たちにも伝令で、その旨を伝えなさい。大至急です。」

 マリアンヌ姫が傍にいた騎士たちに命じた。

 騎士たちは姫からの命令を受け、大慌てで動いた。

 「仲間が世話をかけてすまない、マリアンヌ。これは勇者筆頭である僕の監督ミスだ。本当にすまない。」

 島津がマリアンヌ姫に頭を下げた。

 「いえ、シマヅ様だけの責任ではございません。私の目が行き届かなかったことにも責任があります。お気になさらないでください。勇者様たち、マエダ様たちは私たちが責任をもって連れ戻しますので、どうかご安心ください。皆様は今回の遠征に集中してください。それでは、皆様、馬車にお乗りください。これより、第二回の遠征へと出発いたします。」

 勇者たちは若干不安そうな顔をしていたが、渋々姫の指示に従い、馬車へと乗り込んだ。

 前田たちがこのままダンジョン攻略に挑めば死ぬかもしれない、そのことを聞き、聖剣を失い勇者筆頭の地位が揺らいでいる島津は内心微笑んでいた。

 「敦の奴、この僕が聖剣を失ったと知って、勇者筆頭の座が欲しくて仲の良い連中を引き込んで聖双剣を手に入れようと考えたんだろうが、所詮単細胞のお前じゃ無理な話だ。ダンジョンを攻略したければ勝手に挑むがいい。どうせむざむざモンスター共に殺されるだけだ。この僕に逆らおうなんて、身の程知らずの馬鹿な奴だよ、本当。」

 島津だけではなく、他の「七色の勇者」たちも前田が無謀にもダンジョン攻略に挑み、死ぬかもしれないと聞いて笑っていた。

 きっと勇者筆頭の座を巡るライバルが一人減ったと、そう思っているのだろう。

 勇者たちの中からついに離反者が出始めた。

 「剣聖」前田 敦の離反をきっかけに、この後、さらなる勇者たちの分裂が起きるのであった。

 さて、勇者たち一行を乗せた馬車は、モンスターとの実戦訓練となる依頼の詳細について聞くべく、王都中央のインゴット王国冒険者ギルド本部を訪ねた。

 ギルドの入り口に到着すると、ガメツィー・ギルドマスターが笑顔で勇者たち一行を出迎えた。

 「これはこれは、マリアンヌ姫様、それに勇者様たち、この度はまた当ギルドをご利用いただき、誠にありがとうございます。前回はすでに達成されていた依頼を誤って斡旋してしまい、大変申し訳ございませんでした。今回は勇者様たちにふさわしい最高の依頼を持ってまいりましたので、どうかご安心ください。」

 「ガメツィー・ギルドマスター、能書きは結構です。それより、私たちに依頼内容の説明をお願いします。」

 「かしこまりました、マリアンヌ姫様。今回、勇者様たちに斡旋させていただく依頼は、インゴット王国北東にあるコルドー村の湖に住み着いたというSランクモンスター、カトブレパスの討伐依頼です。カトブレパスは浴びた者を呪い殺す死の視線という凶悪な状態異常攻撃の力を持つ、Sランクモンスターの中でも大変危険なモンスターです。ですが、S級冒険者であり、状態異常攻撃を無効化できる回復術士がたくさんいらっしゃる勇者様たちでしたら、何の問題もございません。カトブレパスを討伐したとあれば、勇者様たちの名声が上がること間違いなしです。いかがでしょうか、姫様?」

 「フン、悪くはありませんね。では、そのカトブレパスの討伐依頼をお引き受けすることにいたしましょう。勇者様たち、相手はSランクモンスターですが、勇者であり、S級冒険者でもある皆様なら、Sランクモンスター一匹の討伐など容易いことでしょう。皆様のご活躍を期待しております。ガメツィー・ギルドマスター、依頼を受けますので手続きをお願いします。」

 「かしこまりました、姫様。すぐにお手続きを進めさせていただきます。」

 Sランクモンスターの討伐と聞き、勇者たちは不安になるどころか、むしろ浮かれていた。

 前回の遠征が空振りに終わっただけでなく、遠征の際に立ち寄った町や村で金品を好き放題奪い、遊び回ったことで勇者たちの評判はすでに地に落ちていたため、何としても汚名返上の機会が、勇者たちは欲しかった。

 それに、Sランクモンスター一匹程度なら、自分たちでも何とかなるだろう、上手くいけば、勇者としての名声が手に入るなどと都合の良い勘違いをしていた。

 勇者たち一行は依頼受理の手続きを終えると、カトブレパス討伐のため、馬車に乗ってコルドー村へと向かった。

 勇者たち一行が馬車でギルドを立ち去った直後、ギルドにいた冒険者たちがふと何かを思い出した。

 「んっ、勇者様たちが今受けたコルドー村のカトブレパス討伐依頼って、例の「黒の勇者」様が確か依頼達成したって言う案件じゃなかったか?」

 「そういえば、「黒の勇者」様がSランクモンスターのソロ討伐に成功したって聞いたが、確かその討伐したSランクモンスターってのは、コルドー村のカトブレパスだったはずだぞ?」

 「ああっ、俺もこの前、「黒の勇者」様がいる冒険者ギルド北支部にいる冒険者の同期と飲み会があった時、ソイツから話を聞いたおぼえがある。何でも、カトブレパスの死の視線を浴びても平気で、ワンパンでカトブレパスを殴り殺したって聞いたぜ。」

 「ってことは、またあの勇者様たち、達成済みの依頼を受けたってことになるぞ?また、ウチのギルドの事務方がやらかしたみてえだな?二回目の遠征も空振りになったと分かったら、今度こそ姫様は大激怒するぞ。それこそ、本当にギルマスのクビが飛ぶんじゃあねえか?」

 「おいおい、マジで勘弁してくれよ。俺たちまでとばっちりを食らうのは真っ平御免だぞ。今からでもマジで他のギルドに拠点移そうかな?」

 ギルド本部にいた冒険者たちは口々に不安を口にした。

 またしても達成済みの依頼を勇者たち一行に斡旋してしまった張本人であるガメツィーは、自分のクビがすでにかかっている絶賛大ピンチにも関わらず、王国から何かしら褒賞金でも出るだろうなどと呑気に考え、執務室で一人鼻歌を歌っていた。

 インゴット王国冒険者ギルド本部を出発してから、馬車で一週間、北東に街道を進み、勇者たち一行は、深い森の中に囲まれたコルドー村へとやってきた。

 前回のように、立ち寄った町や村で金品を奪ったり、豪遊したりなどはしなかったが、すでに勇者たち一行の悪評が流れていたためか、立ち寄った町や村の勇者たちに対する態度は冷ややかであった。中には、勇者たちを追い返す者たちや、無視する者たちもいた。

 それでも、汚名返上のため、勇者たちは堪え、コルドー村へと辿り着いた。

 コルドー村の入り口に到着すると、勇者たち一行は馬車を降りた。

 馬車を降りるなり、島津がほかの勇者たちに向かって言った。

 「みんな、相手は死の視線という力を持つ凶悪なモンスターだ。気を引き締めて討伐に当たるように。特に、状態異常攻撃を無効化できる回復術士のジョブを持つ人たちには期待している。よろしく頼む。」

 「だってさ、優美ちん。聖女様の超出番じゃん。期待してるべ?」

 「大魔導士」にして「木の勇者」、姫城 麗華が言った。

 「フエエー、責任重大だよ。大丈夫かな、私?正直、あんまり自信ないよ~。」

 「聖女」にして「土の勇者」、花繰 優美が答えた。

 「心配いらないわ、花繰さん。いざとなれば、死角からカトブレパスの目を私たち弓術士が攻撃して、両目を潰せばいいだけだわ。だから、何も問題ないわ。」

 「弓聖」にして「風の勇者」、鷹尾 涼風が花繰を励ますように言った。

 「グフフフ、Sランクモンスターの一匹や二匹、この我が輩の槍にかかればいちころでござる。いざ参らん、Sランクモンスター狩りなり!」

 自分に都合の良い妄想を公然と呟くのは、「槍聖」にして「水の勇者」、沖水 流太であった。

 「Sランクモンスターだか何だか知らねえけど、俺のハンマーで一発でぶち殺してやるんだなぁ~。馬鹿でかい牛だなんて、簡単に殺してやるんだなぁ~。」

 カトブレパスを簡単に殺すなどと呑気に言うのは、「槌聖」にして「雷の勇者」、山田 剛太郎であった。

 「フフ、皆様には期待していますよ。それでは、勇者様たち、コルドー村の中に入りましょう。」

 マリアンヌ姫たちが勇者たちにエールを送った。

 そして、マリアンヌ姫を先頭に、勇者たち一行は入り口をくぐり、コルドー村の中へと入って行った。

 勇者たち一行の姿を見るなり、コルドー村の人たちや、避暑に訪れていた観光客たちは皆驚いた。

 勇者たちも、観光客で賑わい、いかにも平和そうなコルドー村の様子を見て驚いた。

 驚いたマリアンヌ姫が通りにいた村人に声をかけた。

 「す、すみません。私はインゴット王国王女、マリアンヌと申します。後ろにおられるのは勇者様たちです。一つお訊ねしますが、この村の近くにあるという湖はどちらにありますか?私たちはギルド本部にて依頼を受け、この村の湖に住み着いたというカトブレパスの討伐へと来たのですが?」

 姫の質問に、村人は首を傾げると、答えた。

 「あの~、カトブレパスでしたら、とっくの昔に「黒の勇者」様が討伐してくださったのですが?」

 「ええっ、カトブレパスはもう討伐されているですって!?すみません、その話、詳しくお聞かせいただけますか?」

 姫が驚いて興奮気味に村人に訊ねていると、杖をついた老人が、村人と姫の間に割って入った。

 「マリアンヌ姫様、その件でしたら、私が代わって説明いたしましょう。私はこのコルドー村の村長を務めております、マイルと申します。二週間以上前のことになります。カトブレパスのために約一年近く悩まされていたこの村に、ふらっと突然「黒の勇者」様が訪ねて来られたのです。たったの100万リリアの報酬しか受け取れないと分かっていながら、あの御方はすぐに湖へと向かい、カトブレパスをほんの1時間足らずで、一人で討伐なされたのです。あの御方にカトブレパスの死体を見せていただいた時は、私も村人たちも大変驚きました。詳しくお話をうかがうと、何でもカトブレパスの死の視線を直に浴びても平気だそうで、素手で一発で殴り殺したと、そうおっしゃいました。「黒の勇者」様がカトブレパスを討伐してくださったおかげで、この村にふたたび平和が戻り、釣りやバカンスを目的に湖を訪れる観光客も戻ってきて、徐々に村の経済も回復に向かっております。おまけに、「黒の勇者」様がSランクモンスターのソロ討伐という歴代最強と謳われた勇者パーティーに匹敵する偉業をこの村で達成したと聞きつけて、わざわざ「黒の勇者」様がカトブレパスを討伐した湖をひと目見たいという観光客まで最近はおりまして、ますます村は儲かっている次第でして。加えて、村の中央の広場に最近、「黒の勇者」様の銅像を建てまして、そちらも人気を博しております。いやはや、「黒の勇者」様には本当に助けられております。さすがは国中で評判の英雄でございます。お人柄もとても優しく、実に謙虚な方で、将来は「黒の勇者」様のような冒険者になりたい、などと村の子供たちから憧れるほどの人気ぶりでございます。良かったら、姫様や勇者様たちもひと目「黒の勇者」様の銅像を御覧になって行かれませんか?それに、「黒の勇者」様が美味しいと言ってくださった名物の川魚料理もございますので、良ければ食べて行かれませんか?きっとお気に召すことでしょう。」

 マイル村長が満面の笑みで勇者たち一行に、「黒の勇者」の活躍を語った。

 勇者たち一行は全員困惑し、中には肩を落とす者もいた。

 マリアンヌ姫はプルプルと体を震わせていた。

 「ま、またしても、「黒の勇者」ですか!?一体どれだけ私たちの邪魔をすれば気が済むのです。大体なんですか。カトブレパスの死の視線を浴びても平気?素手で一発で殴り倒した?Sランクモンスターをソロ討伐する?そんなとんでもない人間が本当にこの世にいるのですか?でしたら、なぜ、勇者様たちが現れたタイミングと同時に現れたのです?どうしてそれほどの力の持ち主が今まで無名だったのですか?一体本当に何者なんですの、「黒の勇者」とは?」

 マリアンヌ姫は「黒の勇者」への怒りをぶちまけた。

 そんな姫の様子を見て、村長は驚き、恐る恐る姫に訊ねた。

 「あの~、姫様、一体どうなされました?何か私がお気に召さないようなことを申しましたか?「黒の勇者」様がどうかなさいましたか?」

 村長から訊ねられ、マリアンヌ姫はハッと我に返った。

 「はっ、私とした者が、つい興奮して我を忘れてしまいました。マイル村長、説明をありがとうございます。そうですか。カトブレパスはすでに「黒の勇者」なる冒険者が討伐した後でしたか。一足違いとは残念です。良ければ、村の広場にあるという「黒の勇者」の銅像とやらを私たちに見せていただけませんか?前々から私たちも「黒の勇者」の噂は耳にしていて気になっていたところです。どうかご案内いただけますか?」

 「かしこまりました。ぜひご案内させていただきます。ささっ、私の後に付いて来てください。」

 村長は、マリアンヌ姫に頼まれ、勇者たち一行を、「黒の勇者」の銅像がある村の広場まで案内した。

 村長に案内され、勇者たち一行は村の広場の中央にある「黒の勇者」の銅像までやって来た。

 「黒の勇者」の銅像の周りには、銅像を見に来た観光客でいっぱいだった。

 村長が勇者たち一行に声をかけた。

 「姫様、勇者様たち、こちらがこの村をカトブレパスから救ってくださった、今国中で話題の「黒の勇者」の銅像になります。どうぞゆっくりと御覧ください。」

 村長が笑顔で「黒の勇者」の銅像を指さした。

 姫や勇者たちは「黒の勇者」の銅像を見るなり、口々に言った。

 「この者が「黒の勇者」ですか?ずいぶんとお若く見えますが?」

 「ああっ、マリアンヌ。「黒の勇者」様は僕たちと大して年齢は変わらないようだ。僕たちとほぼ変わらない年齢でS級冒険者として活躍するとは、大した人物だね。ぜひ、僕たちの仲間に加わってほしい人材だよ。」

 「これが黒の勇者~?もっとイケメンかと思ったけど、ちょっと暗く見えない?ウチはあんまり好みじゃないかも~。」

 「こやつが我が輩らを差し置き「黒の勇者」などと呼ばれる輩でござるか。実に不愉快な面構えなり。我が輩の方がよっぽど勇者らしいでござるよ。」

 「この人が「黒の勇者」ねえ?思ったほど強そうには見えないけれど、Sランクモンスターをソロ討伐したってことは、見かけ以上に相当な実力者ってことになるわね。彼を私たちの仲間にスカウトするのは、私はアリだと思うわ。魔王と戦う即戦力になりそうだもの。」

 「こいつが「黒の勇者」って奴かぁ~?何だかひょろっとして弱そうなんだなぁ~?本当にこんな奴がSランクモンスターを一人で倒したのかぁ~?」

 勇者たちは周りに「黒の勇者」の銅像を見に来た観光客がいるにも関わらず、ほとんどの者が、「黒の勇者」の悪口を言った。

 観光客は「黒の勇者」の悪口を言う勇者たちを嫌そうな表情で見つめていた。

 そんな中、「聖女」の花繰が、「黒の勇者」の銅像の顔を見て、ハッとした表情を浮かべ、ついには青ざめた顔を浮かべながら、他の勇者たちに向かって言った。

 「ね、ねえ、みんな、こ、この「黒の勇者」の顔、み、宮古野君にそっくりじゃあない?」

 花繰の言葉を聞き、勇者たちは「黒の勇者」の銅像の顔をじっと見つめた。

 そして、勇者たち全員の顔が一気に驚愕の表情へと変わった。

 「そ、そんな馬鹿な!?あ、あの能無しの悪魔憑きが生きていると!?あの悪魔憑きが「黒の勇者」ですって!?」

 「ば、馬鹿な!?あり得ない!?確かに宮古野君はあの日僕たちによって処刑されたはずだ!?生きているわけがない!?」

 「う、嘘!?宮古野、マジで生きてんの!?だとしたら、絶対にヤバいじゃん!?「黒の勇者」とか呼ばれるほど鬼強いんでしょ!?だとしたら、ウチら全員、恨まれてるじゃん!?マジで殺されるかもじゃん!?」

 「み、宮古野氏ですと!?確かに顔がよく似ているでござる!?もし、宮古野氏が生きているとしたら一大事ですぞ!?早く討ち取らなければ、我が輩たち全員が命の危険に晒されるでござる!?魔王討伐どころの話ではないなり!?」

 「宮古野君が生きている!?しかも、Sランクモンスターをソロ討伐したあの「黒の勇者」!?そうだとしたら、私たちはとんでもなく貴重な人材を失ったばかりか、完全に敵に回したことになるわ!?魔王や魔族以外の敵を作ったことになる!?正直、今の私たち全員の実力を合わせても彼に勝てる見込みは限りなくゼロに近い!?これは予想外の最悪の事態だわ!?」

 「な、何で宮古野がい、生きているんだぁ~!?あ、アイツは確かに俺たちの手で殺したはずなんだなぁ~!?あ、アイツが、く、「黒の勇者」の訳がないんだなぁ~!?」

 「み、みんな、この顔は確かに宮古野君だよ!?このどこか陰気で斜に構えた表情なんてそっくりだよ!?もし、本当に宮古野君が生きているなら、今すぐみんなで謝りに行こう!?じゃないと、今の私たちじゃ、絶対に宮古野君に勝てっこないよ!?みんな、殺されちゃうよ!?」

 勇者たち一行は「黒の勇者」の正体が、自分たちが裏切り処刑した宮古野 丈だと気が付き、しかも、彼が生きていて、「黒の勇者」と呼ばれるほどの実力者になっていると知り、さらに彼に恨まれ殺されるかもしれないと知って、皆パニックになった。

 そんなパニックに陥った勇者たち一行の発言を、村長や村人たち、それに観光客たちは全て聞いていた。

 村長や村人たち、観光客たちは皆一様に勇者たちを睨みつけ、激怒した。

 「い、今、何とおっしゃいました!?「黒の勇者」様を処刑しようとしたですと!?あれほどの立派な御仁をあなた方は殺そうとしたのですか!?一体何を考えているのですか!?」

 「おい、この偽勇者ども、よくも「黒の勇者」様を能無しの悪魔憑きだの、弱っちいだの、好き勝手侮辱しやがったな!?おまけに「黒の勇者」様を殺そうとしただと!?テメエらの方がよっぽど悪魔だろうが!?今すぐ「黒の勇者」様に土下座して謝りやがれ!?」

 「「黒の勇者」様はこの国、いや、この世界の英雄だぞ!?あの御方を殺そうとするなんて、何て罰当たりな連中なんだ!?今に光の女神リリア様から天罰を食らうぞ!?この不届き者が!」

 「お前たち勇者は散々王命だとか言って、色んな町や村から金品を奪って、挙句に遊び回っていたそうだな!?「黒の勇者」様が必死に俺たちのために命懸けでモンスターたちと戦ってくれているのに、お前たち勇者はただ遊び惚けて、何もしてくれなかったよな!?何が女神様に選ばれた勇者だ!?「黒の勇者」様の方がよっぽど勇者をやってるじゃあねえか!?お前たちみたいな悪党に勇者を名乗る資格なんてねえ!とっととこの国から、この世界から出て行きやがれ!」

 「「黒の勇者」様こそ真の勇者だ!光の女神リリア様が真に勇者の力をお与えになった存在に違いない!お前たちには勇者としての素質がないと分かって、あの御方を我々の下に遣わしたに違いない!お前たち失格者など私たちには不要だ!「黒の勇者」様がいらっしゃれば十分だ!今すぐ自分たちの元いた世界へ帰れ、神をも恐れぬ不埒者どもが!」

 村長や村人たち、観光客たちの怒りは頂点に達した。

 彼らは皆、一様に勇者たち一行に容赦ない罵声を浴びせまくった。

 そして、ついには勇者たち一行に向かって石をぶつけ始めた。

 勇者たち一行は、村長や村人たち、観光客たちの、今にも自分たちを殺そうとせんが怒りの形相を見て、震えあがった。

 「み、皆さん、落ち着いてください。私たちの話を聞いてください。」

 マリアンヌ姫が必死に弁解しようとするが、彼女の言葉が、村長や村人たち、観光客たちの耳に入ることは無かった。

 彼らは怒り、容赦なく大人から子供まで、勇者たち一行に石を投げつける。

 「ま、マリアンヌ、今すぐこの村を出よう。このままでは僕たちは彼らに殺されてしまう。ひとまず撤退だ。」

 島津がそう言ったのを合図に、勇者たち一行はわき目も振らず、急いで村の入り口まで逃げた。

 村長や村人たち、観光客たちは怒りが収まらず、石を投げてくるだけでなく、包丁やナイフ、鍬や斧などを手に、勇者たち一行を追いかけてくるのだった。

 勇者たちは何とか命からがら馬車へと乗り込み、急いでコルドー村から脱出した。

 だが、勇者たちへの制裁はこれで終わらなかった。

 マイル村長が村人たちや観光客たちに向けて言った。

 「皆さん、あの偽勇者たちは我が国の英雄であり真の勇者である「黒の勇者」様を亡き者にしようとしました。「黒の勇者」様を殺そうなど、言語道断。例え国王や姫、勇者と言えど、許されざる行為です。光の女神リリア様が遣わした真の勇者である「黒の勇者」様の御命を狙うことは、正に神への冒涜、背信行為に他なりません。私はこの話を連絡用の水晶玉を使い、急ぎ近隣の町や村に伝えるつもりです。皆さんもどうかこの事実を一刻も早く国中に広めることにご協力ください。何としても、我々の手で、あの忌まわしい偽勇者たちや愚かな国王たちから「黒の勇者」様をお守りするのです。何卒、ご協力をお願いいたします。」

 村長の言葉を聞き、村人たちや観光客たちは「オオーーー!」と力強く返事をした。

 そして、彼らによって、瞬く間に、勇者たちが「黒の勇者」を殺そうとした話が広まり、勇者たちは完全にインゴット王国の国民の敵になった。さらに、その話は隣国まで伝わり、世界中の者たちが勇者たちへ怒りをおぼえることとなった。

 ちなみに、インゴット王国の国王たちも、「黒の勇者」様を殺そうとした大罪人など、歴代最悪の愚王など、神を冒涜する不埒者など、国民から大顰蹙を買うハメになったのであった。

 勇者たち一行は結局、二回目の遠征も空振りに終わった上に、インゴット王国の国民全員から、「黒の勇者」様を殺そうとした大罪人扱いされるハメになった。

 コルドー村にいた人々によって、勇者たち一行が「黒の勇者」を殺そうとした話は勇者たち一行の予想を超えるスピードで広まったため、勇者たち一行は帰りの道中でも、立ち寄った町や村の人々から罵声を浴び、石を投げつけられ、追い払われる始末だった。

 碌に宿に泊まることもできず、勇者たち一行は仕方なく狭い馬車で寝泊まりすることになった。

 食料が帰りの道中の三日目には底をつき、勇者たち一行は王都に帰るまでの残りの四日間、空腹で過ごすことになった。

 彼らの心も体もすでにボロボロだった。

 コルドー村から逃げ帰ること七日後、彼らはやっと王都に帰り着いた。

 勇者たち一行は依頼を斡旋したインゴット王国冒険者ギルド本部へ、溜まった怒りをぶつけるべく向かった。

 馬車を降りるなり、マリアンヌ姫は怒りの形相のまま、ギルドの中へと入って行った。

 「ガメツィー・ギルドマスターはどこです!?今すぐ彼をここに呼んできなさい!また私たちにすでに達成済みの依頼を斡旋するとは!?おかげで恥をかいた上、とんでもない目に遭いました!即刻クビにして差し上げます!さぁ、早くここにお呼びなさい!」

 マリアンヌがギルドの職員たちに当たり散らすが、ギルドの職員たちは皆困惑した表情を浮かべている。

 一人の受付嬢が、恐る恐る姫に答えた。

 「が、ガメツィー・ギルドマスターなんですが、実は三日ほど前から連絡が全く取れない状態で、私たちも行方を捜している状態でして。ご自宅に職員が伺ったのですが、すでに引っ越された後の様子でして。それに、ギルドの金庫から大量の現金が無くなっておりまして。もしかしたら、その~、ガメツィー・ギルドマスターがお金を持ち逃げしてどこかに行方をくらませたのではないかという疑惑が浮上しまして。王都の警備隊に連絡して、現在ガメツィー・ギルドマスターの行方を捜してもらっている状況でして。」

 受付嬢の言葉を聞いて、マリアンヌ姫は膝から崩れ落ちた。

 「そ、そんな!?ギルド本部のギルドマスターともあろう者が王族を騙して、ギルドからお金を盗んで逃亡するなんて!?ぜ、前代未聞のことです!?こ、こんなことになるなら、ギルド本部を頼るんじゃなかった!わ、私はお父様たちに一体どう弁解すればいいのですか!?」

 マリアンヌ姫の心は一気に絶望へと堕とされた。

 勇者たちも姫にかける言葉が見つからず、皆一様に気まずそうな顔をして黙り込んでいる。

 そんな勇者たち一行の姿を、ギルドにいた冒険者たちは大笑いして見ていた。

 「ギャハハハ、見たかよ、あの姫様の顔。それに勇者たちの湿気た面をよお。」

 「アハハハ、勇者だの何だの威張り散らしていたくせに、結局また達成済みの依頼を掴まされていやがんの。アレのどこが勇者なんだ?S級冒険者なんだよ?ただの何も知らねえド素人のガキじゃあねえか?Fランク以下だろ、アイツら?」

 「ブハハハ、「黒の勇者」様を殺そうだなんて馬鹿なことをするから、女神様の罰が当たったんだよ。本当に罰当たりな連中だぜ。とっととどこかにいなくなってくれねえかな?邪魔でしょうがないぜ。」

 「クハハハ、大体自分たちで碌に依頼内容の確認もせず、依頼へ行く冒険者なんているかよ!?あのガメツィーを疑いもせず鼻っから信用する奴なんてそうそういねえよ。とんだお間抜けさんだろ、あの勇者たちはよ!」

 「ガッハッハ、もうアイツらいらねえんじゃねえの?弱いし、実戦経験はないし、ただ遊び回るだけだし、もう「黒の勇者」様だけで勇者は十分じゃねえの?マジでいらないだろ、アイツら!?」

 冒険者たちは口々に、大笑いしながら勇者たち一行を笑った。

 あまりの恥ずかしさと屈辱で、勇者たちは顔を真っ赤にしてその場で立ち尽くした。

 膝から崩れ落ち、茫然としていたマリアンヌ姫だったが、急にハッとした表情へと変わった。

 「そ、そうです。た、確か「黒の勇者」はギルド北支部にいると聞きました。彼を説得して連れ戻せば良いのです。そうすれば、この失態を償うことができる。お父様が反対しても、光の女神リリア様からの神託だと言えば良いのです。彼も勇者様たちと同じく異世界から勇者としてこの世界に召喚されたはずです。ジョブとスキルが分からなかったのは、きっと鑑定士の鑑定ミスに違いありません。そうでなければ、S級冒険者になれるわけがありません。きっと彼も勇者として特別なジョブとスキルを女神さまから授かったに違いありません。それも極めて強力なジョブとスキルに違いありません。そうです、きっとそうに違いありません。今すぐにでも謝罪し、彼を連れ戻すのです。欲しいものがあれば、地位でも名誉でもお金でも、好きなものを与えましょう。何でしたら、私の身を捧げましょう。国民から絶大な人気があり、勇者として申し分のない実績のある「黒の勇者」を勇者筆頭として迎え入れれば、私の地位も名誉も安泰です。魔族討伐の悲願もきっと実現することでしょう。こうなったら、急ぎ「黒の勇者」を、いえ、「黒の勇者」様を迎えに行かねば!」

 マリアンヌ姫はふたたび立ち上がり、「黒の勇者」を迎えに行くべく、決心したのだった。

 そんなマリアンヌ姫の姿を見て、勇者たち一行は慌てた。

 特に、現勇者筆頭である島津は慌てた。

 「ま、マリアンヌ、正気かい!?彼は、「黒の勇者」はきっと自分を処刑した僕たち全員を恨んでいるはずだよ。今、彼に近づいたら、君はきっと彼に殺されてしまう。彼を連れ戻すなら、直接会うのは控えた方がいい。正式に国から和睦の使者を送って、ゆっくりと説得すべきだ。彼を今すぐに連れ戻すのではなく、もっと慎重に進めるべきだ。」

 マリアンヌ姫が、「黒の勇者」を勇者筆頭の座に据え、あまつさえ自分の身を捧げてもいいなどと言い出したため、島津は自分の地位を守るため、恋人であるマリアンヌ姫を取られまいとするため、「黒の勇者」を連れ戻すことに反対した。

 だが、マリアンヌ姫の決意は変わらなかった。

 「いえ、シマヅ様、今すぐにでも「黒の勇者」様を迎えに行くべきだと私は思います。今の私たちには「黒の勇者」様のお力が何としても必要なのです。これ以上の失態は許されないのです。例え、皆様がお止めしても、私は一人でも「黒の勇者」様を迎えに行きます。それが、光の女神リリア様から神託を授かる巫女のジョブを与えられ、この国の王女として生まれた私の責務なのです。今、それをはっきりと確信いたしました。勇者様たちは城にお戻りください。私はこれからすぐに「黒の勇者」様をお迎えに上がります。モンスターとの実戦訓練をご所望でしたら、皆様はすでにS級冒険者なのですから、ご自分で依頼を受け、実戦訓練に励んでください。援助が必要な場合は、父か城の者におっしゃっていただければ、すぐに手配してくださるはずです。では、私はこれより勇者様たちのお世話役の任を一時降り、「黒の勇者」様を迎えに行ってまいります。これにて失礼させていただきます。」

 マリアンヌ姫はそう言い残すと、勇者たちをギルドに置いて、急いで馬車に乗り込み、「黒の勇者」を迎えに行くべく、「黒の勇者」がいるというインゴット王国冒険者ギルド北支部へと向かった。

 勇者たち一行はあっけに取られ、しばらく呆然として、その場で立ち尽くした。

 島津は歯ぎしりをしながら、悔しがった。

 「何故だ!?何でこうなった!?どうして「勇者」である僕が宮古野なんかに負けなきゃいけない!?僕が「勇者」のはずだ、勇者筆頭のはずだ!?マリアンヌは将来僕と結婚するはずなんだ!?「黒の勇者」様を迎えに行く、彼を勇者筆頭にする、彼に身を捧げてもいいだって!?ふざけるな!僕こそ真の勇者なんだ!宮古野なんかじゃない、この僕だ!生まれながらにエリートであるこの僕が、女神に選ばれし「勇者」なんだ!」

 島津は宮古野 丈への、「黒の勇者」への恨み言をぶちまけた。

 他の勇者たちは皆、複雑そうな表情を浮かべていた。

 突然、島津がニヤリと笑みを浮かべた。

 そして、他の勇者たちに向かって言った。

 「みんな聞いてくれ。マリアンヌ姫は「黒の勇者」を、宮古野君を迎えに行くと言った。だがしかし、姫が彼を連れ戻したところで、本当に僕たちの味方になってくれるだろうか?もしかしたら、味方になったフリをして、僕たちに復讐しようと襲いかかってくるに違いない。姫が宮古野君を説得できる可能性は極めて低いと僕は考える。なら、やるべきことは一つだ。僕たちは宮古野君に負けないくらいの実力を身に着け、世界各地のダンジョンにある聖武器を手に入れ、彼と戦うしか道はない。みんな一致団結して、宮古野を倒そう。そして、魔王を倒し、僕たちこそが真の勇者であることをこの世界の人たちに知らしめるんだ。僕たちはみんな女神様に選ばれた勇者だ。僕たちならきっとできる。みんな、協力してくれ。」

 島津の言葉を聞き、勇者たちは皆一様に賛同した。

 島津のカリスマ性と、宮古野 丈に殺されるかもしれない恐怖心が合わさり、彼らは宮古野 丈との和解ではなく、敵対する道を選んだ。

 島津は内心ほくそ笑んだ。

 「宮古野、待っているがいい。すぐに実力を伸ばして、勇者全員で嬲り殺しにしてやる。この異世界にもお前の居場所は無いんだ。またみんなでお前を処刑してやるよ。」

 島津が歪んだ企みを抱き、行動を開始した。

 マリアンヌ姫という手綱を失ったことで、インゴット王国の国王や姫たち、光の女神リリアの予想を超えて、島津率いる勇者たちの異世界での暴走が始まった。

 今まさに、主人公、宮古野 丈と、勇者たちとの戦いの火ぶたが切られたのだった。
























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