第16話 結末
力武透と小百合一世の激しい決闘が終結し、広場は一瞬の静寂に包まれた。小百合一世は剣を地に突き立て、力武透も疲労困憊しつつも立ち上がっていた。理事長が冷笑を浮かべながら近づき、街の中に響くその声が静寂を打ち破った。
「お前たちの戦いを見ていたが、これで燕三条の支配は小百合一世になる。だが、私の影がそこにはあることを忘れるな」と、理事長が不気味な言葉を残す中、魚問屋の者たちも微笑みながら姿を消していった。
小説家の風間悠一郎が賢明な策略で街の秩序を守り、運転士と伊武尊が仲間たちを支える。力武透は小百合一世と手を握り合い、過去の因縁を超えた新たな絆が生まれた瞬間だった。
燕三条の街は再び平穏を取り戻し、小百合の花が穏やかな風に揺れていた。
小百合は娘のことを思い出して涙を溢した。
「私は多くの者を失ってしまった」
夫は龍王峡に棲んでいる龍を退治しに行ったら、地震に襲われ岩の下敷きになって死んでしまうし、娘もとんでもない男に殺されてしまった。
冒険者たちは新たな章を迎え、燕三条の中に隠された謎と冒険の記憶を心に刻みつつ、未知の旅路に向かっていくのだった。
小百合の冒険 鷹山トシキ @1982
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