3-15 オッサン、異世界へ迷い込む!?
「やばっ! オッサン、エロポリスに捕まってんじゃん!」
オムライスを4人分用意してきたサキュバス姉妹に連れられ特別棟へと向かっている途中、俺とマリアさんが手錠で繋がれていることに気づいたミサキさんが大爆笑する。
「スケベ顔、捕まえた」
「オッサン、マリアにスケベ顔って言われてるしー! ウケるー!」
「……」
周りに人がいなくて、本当によかった。
ちなみに俺用のオムライスは2人がお絵描きを頑張りすぎた結果、真っ赤っかである。ケチャップの味しかしなさそうだ。
「はい、到着ー!」
少し歩いて目的地に到着した。ルームプレートには視聴覚室と書かれている。ミサキさんが勢いよく扉を開け放ち、リサさんと共に部屋へ入って行く。
「へぇ、ここを休憩室として使ってるんですね」
「休憩室じゃないよ?」
「え? 違う……? って、うおうっ」
マリアさんと話しながら部屋へ入って初めて先客がいることに気づく。完全に油断していたので、少々面食らってしまう。
「ちょっとミサキぃ。扉を開ける前にノックする約束でしょぉ?」
「ごめーん、忘れてたー」
え、やばっ。
部屋の中にはなんと『美人サキュバス』が3匹……いや、違った。小悪魔衣装の女の子3人が椅子に座ってくつろいでいた。
彼女たちの顔には見覚えがあった。写真で何度も目にしていたミサキさんとリサさんとマリアさんのお友達。要するにギャルだ。3人とも写真で見るよりずっと可愛い。
その中のひとり、大人の色香を漂わせるお色気ムンムンのセクシーギャルがぷっくりとした唇を尖らせる。
「ごめーん忘れてたー、じゃないわよぉ。誰かが
「だから、ごめんってー」
「え? 着替え?」
状況が飲み込めずに教室に入ってすぐの所で立ち止まっていると、マリアさんが教えてくれる。
「ここは私たちのクラスが『女子更衣室』として使ってるお部屋」
マリアさんはそう言って部屋の扉を閉める。
「え? 更衣室?」
俺がここにいるとマズいんじゃ……?
「ねぇねぇ、あれが噂の大人彼氏?」
「そおー。あーしとリサの旦那ー」
俺の心配をよそに、もうひとりのセクシーギャルが誘うように手招きしてくる。
「彼氏さん? こちらへどうぞ? 私たちと楽しくお話ししましょう?」
「あ、じゃあ」
俺は言われるがまま、マリアさんを連れてセクシーギャル2人の間の椅子に腰掛ける。そして気づく。
「あれ?」
目の前にタイプのまったく違うミニスカサキュバスが5人いて、周りを取り囲まれてしまっていることに……。
「ああ、アレか」
これが世に言う『異世界転移』ってやつか。
「彼氏さん? ここ(女子更衣室)は初めて?」
大人セクシーなサキュバスがアゴの下をくすぐってくる。
「むむっ」
ただまあ、迷い込んでしまったものはしょうがない。帰り方もわからないし、とりあえず旅の疲れを癒すとしよう。
「(異世界は)初めてなんですぅぅ」
「ふふっ、可愛い♡ 緊張しないでゆっくりしていってねぇ♡」
「あ、じゃあお言葉に甘え――」
ゴンッ!!
脳天に激痛が走る。見上げると怖い顔した『鬼の姉妹』が俺を見下ろしていた。
「反省な?」
「あ、はい……」
早くも現実世界へ連れ戻された俺は冷たい床の上へ素直に正座するのだった。
「チャーハンの人、おもしろーい」
「いや、笑わそうとしたわけではない」
のほほんとしたマリアさんの言葉にすかさずそうツッコむと、教室は笑い声に包まれるのだった。
――――――――――――――――――――――
あとがき
次回更新は少し先にさせてください。他の作者様の新作が落ち着いたころにと考えています。年末か年明け頃を予定しています。
こちらの都合で大変申し訳ないのですが、作品を公開している以上、やっぱり少しでも多くの方に読まれたいです。
(更新をズラしたからといって読まれるとは限りませんが…σ(^_^;))
これ以降も「楽しさ全開」でお送りしていきますので、しばしお待ちいただければ幸いです(*ᴗˬᴗ)
次回は「サキュバスの館」……ではなく「女子更衣室パート」から再開です。お楽しみにー♪
【60万PV突破!】オッサン、3人のギャルに『シェア』される!?〜元気いっぱいな美人ギャルに懐かれた平凡サラリーマン、ギャルづくしな毎日が始まってしまう〜 兎のしっぽ🐇 @yanasuke
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