【60万PV突破!】オッサン、3人のギャルに『シェア』される!?〜元気いっぱいな美人ギャルに懐かれた平凡サラリーマン、ギャルづくしな毎日が始まってしまう〜
3-12 オッサン、ミニスカポリスに逮捕される
3-12 オッサン、ミニスカポリスに逮捕される
「私も『お兄ちゃん』って呼びたい」
ミニスカポリス姿の聖女様がリサさんとは反対側の腕を掴んでおねだりしてくる。
「呼びたい」
「え?」
「ダダダっ、ダメだよー!? マリアちゃーん!?」
リサさんが慌てふためく。
「どうして?」
「だだ、だって、マリアちゃんには
「
この子にアレ呼ばわりされるって、どんなお兄さんなんだろ……?
「とと、とにかく! 恋人じゃなきゃ、お兄さんのことを『お兄ちゃん』って呼んじゃダメなの!」
「恋人ならいいの?」
「そ、それはまあ……って、ちょっとマリアちゃん! 恋人じゃなきゃ、腕も組んじゃダメなんだからね!」
「けど、会長に言われたよ?」
「んん? 山田先輩、何か言ってたっけ?」
「
「ああ、そういえば……」
俺たちが生徒会室を去る間際、金髪オールバックが最後のチカラを振り絞って、こんなことを言い残していた。
『よ……四葉ぁぁ……。今日一日その男から離れるなよぉぉ……。ソイツが校内で悪さをしないか、生徒会メンバーとして、見張るんだぁぁ……。ガクッ……』
「ね?」
「確かに」
「だから、手を繋ぐ」
ギュッ
マリアさんが俺の手を握る。
「ダダダっ、ダメだよー!? 腕も手も恋人としか繋いじゃダメなの!!」
リサさんが俺たちの手をすかさず解除した。
「手も繋いじゃダメなんだ。じゃあどうしよう……。あ、そうだ」
何かひらめいた様子のマリアさんは腰に装着されたベルトポーチから『銀色の輪っか』を取り出す。
「これを使う」
ジャラリと金属音を立てたソレをマリアさんは俺の右手首に装着する。
カシャン
「ん?」
俺の右手首にキラリと光るソレは『手錠』だった。そして鎖の先には――
「むふんっ」
可愛らしいドヤ顔を披露する聖女様の左手首がすでに繋がっていた。
「え?」
「え?」
俺とリサさんは同時にポカンとする。
「これで手を繋がなくても一緒にいられる。生徒会のお仕事もバッチリこなせる。嬉しい」
ジャラジャラ
マリアさんはどこか楽しげに手錠で繋がれた左手をブラブラさせる。
「えーっと……」
ヘソ出しミニスカポリスに捕まっちまった。なんてこったい……。
「ダダダっ、ダメだよおおおおおおっ!? マリアちゃあああおああんっ!?」
リサさんの今日一の声が廊下にこだまする。
「どうして? 手は繋いでないよ? ほら」
ジャラジャラ
マリアさんは手錠で繋がれた手を見せつける。
「そそっ、それはそうかもしれないけどさーあ……!! と、とにかく! 手錠は外してくれるかな!」
「どうして?」
「どうしても!! これはお兄さんの
「うーん? よくわからないけど、わかった」
マリアさんは渋々といった感じでベルトポーチを探る。
「……あれ? ない」
「ん? どうしたの? マリアちゃん?」
「鍵がない」
「え?」
マリアさんはポーチを逆さに向けて上下に振って見せる。
「やっぱりない」
「え?」
「一緒に入ってたはずなのに鍵がない。どうして?」
「……」
しばし沈黙ののち。
「そっか……。なら仕方ないね……」
どこか感情を失ったように見えるリサさんが鷹上さんの手にする手提げ袋からハサミを取り出す。
「壊そう」
「え? リサさん?」
「そりゃああああ!!」
「リサさん!?」
手錠は絶対許さないマン――と化したリサさんはチェーン部分をハサミで挟んで両手にチカラを込める。
「ふぬぬぬぬぬぬ!!」
キュートなサキュバスコスを台無しにするほどの踏ん張り顔である。他の人には見せられないな。
「か、代わりましょうか?」
「ぬおおおおおお!! って、あっ。お、お願いします、お兄さん……」
リサさんに代わってチェーンの切断を試みるが、ハサミごときでは全く歯が立たない。
「お兄さんでもダメなの!? なにこのオモチャ!? 頑丈すぎない!?」
「オモチャじゃなくて
「ほん……? えっ……?」
「――なら仕方ないですね。鍵が見つかるまでは
ずっと傍観していた鷹上さんはさっさとハサミを回収してリサさんの背中を押す。
「ほら、雨宮さん。笑顔笑顔。もうすぐ教室へ到着しますよ。お仕事、頑張りましょうね」
「うえっ!? けどサヤちゃん!? お兄さんとマリアちゃんがくっついたままだよ!? 先に鍵を探さなきゃ!?」
「鍵ならここに……おほん。生徒会室にあると思いますので、私が探しておきます。雨宮さんは接客をお願いしますね」
「けど……って、わっ!? なにこれ、さっきよりお客さんが増えてる!?」
特別棟と教室棟を繋ぐ渡り廊下を渡ってすぐの所にある教室から長蛇の列ができていた。2、30人はいるだろうか。期待に胸を膨らませた様子の男子多めの列は教室横の階段下まで続いている。
「えっ!? あんな格好の子が接客してくれるの!?」
「やばっ!?」
コスプレギャルの到着に気づいた数人の男を発端に行列全体が一気に騒がしくなるのだった。
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