1-55 今日からオッサンの妻!裸エプロンも可!

 4人で楽しく(?)2時間弱プレイした金太郎鉄道もついに結果発表を迎える。


「楽しみだね! ワクワク!」

「最初に電車が飛んでった人が最下位だからね!」

「ふふっ、誰かなー?」


「……」


【最初に脱落するのはー……】

【オッサン社長だーーーー!!】


「だろうなッ!!」


 俺が待ってましたと言わんばかりにそうツッコむと、ドッと笑いが起こる。結局、3人にハメられ続けた俺はもちろんぶっちぎりの最下位である。


 ゲームの最後に総資産の変遷を表した線グラフが表示されたのだが、俺のグラフだけ直滑降をキメていた。


「オッサン、地面に超めり込んでんだけどおお!! ウケるううー!!」


 パシャパシャと撮影会が始まる始末。


「なんだこれ……」


 こうして、キャピキャピゲーム大会は3人のギャルの大爆笑とともに幕を閉じた。


「……」


 とんだ、クソゲーだな!!(普通に遊べば神ゲーです。みんなもプレーしよう!金太郎電鉄!)


「ってか最後のミサキ、絶対おかしいってー」


 リサさんがテーブルにぐでーっと突っ伏しながら不満を漏らす。


「なに、あの怒涛の追い上げ? あんなのされたら勝てないじゃーん」


 まあ、気持ちは分からなくはない。


 序盤から堅実に資産を増やしていたリサさんとアヤネさんが常に1、2を争っていたのだが、終盤になって状況が一変した。


 謎のを発揮させたミサキさんが、まさにお祭りフィーバー状態で資産を積み重ねていき、そのまま2人をかわして見事1位に輝いたのだ。


「あんなのチートだよ! チート!」


 リサさんが頬を膨らませる。リスみたいで可愛い。ほっぺたプニプニしたい。


「ミサキには勝てないよぉ……昔っから運がいいんだもん……。くじ引きとかも、当たりばっか引くし」


「あーし、日頃の行いがいいからね! だって毎日『家のお手伝い』してるもん!」


 ミサキさんは鼻高々である。ギャルの日頃の行いが微笑ましくてホッコリする。ちなみに彼女の『豪運』はこのあと、別の場所でも発揮されたりする。


「って、もうこんな時間じゃないですか!?」


 気づけば部屋には西日が差し込んでおり、時計は18時5分を指していた。楽しい時間はあっという間である。


「3人とも、そろそろ帰る時間ですよ?」


 俺はゲーム機をパパッと片付けて立ち上がる。


「えっ、まだ6時過ぎじゃん? オッサン家で晩ご飯も食たい!」


 ミサキさんが甘えるように抱きついてくる。


「無茶言わないでくださいよ。晩ご飯の用意なんてしてませんし、帰りが遅くなったらお家の方が心配します」


「いいじゃん、ちょっとぐらい! まだオッサンと遊びたい! 遊びたい遊びたい遊びたい――」


 ミサキさんが俺に抱きついたまま駄々をこね始めた。ふかふかオッパイがおねだりしてくるんだが?


「なにそれ、楽しそう! 私もしたい!」


 リサさんが正面から抱きついてきて同じように体を弾ませる。妹の柔らかボディが俺の股間を刺激してくるんだが?


「じゃあ、私も」


 満を持して本命の登場である。こんもりとした2つの山が俺の腕を挟み込み、上下に揺れる揺れる〜♡


 い、いかん……このままだとマジで押し切られる……。かくなる上は!?


「か……鍵を!? 今度、部屋のをお渡しします!?」


「え? 鍵……?」


 3人の動きがピタリと止まる。


「そう、合鍵です! それで好きな時に遊びに来てくれたらいいですから、今日のところは帰りましょう! ね?」


「「「合鍵ッ!?」」」


 3人のギャルは雷に打たれたような衝撃を受けたあと、一転してパッと顔を輝かせる。


「ヤバっ!! 彼氏の部屋の合鍵持てるとか、大人の恋人じゃん!! ってか、もうじゃん!!」


「いや、別にそういう訳じゃ――」


「あーし達、今日からオッサンの妻なんですけどおお!! 現役JKの妻なんですけどおお!!」


 聞いちゃいねええええ!?


「じゃあ、夏休みの間はお兄さんのお家に3人で住んじゃう?」


「住む!?」


「それいいかも。朝はオジさんをお見送りして、夕方帰って来たオジさんを出迎えるって、いかにも妻って感じだよね」


「じゃあ、あーしやってみたい!」


「アレって?」


「決まってんじゃん! 妻といえばアレじゃん!」


 軽く咳払いをしたミサキさんがよそ行きボイスで寸劇を始める。


「ガチャ……お帰りなさい、アナタ。今日もお仕事お疲れさま。先にご飯にする? お風呂がいい? それとも……ワ・タ・シ♡ ってやつー!」


「ギャルが『裸エプロン』でお出迎ええええッ!? って、あ……」


 なんか叫んでしまった。3人揃って含み笑いを向けてくる。


「オジさん? 裸エプロン、なんてひと言も言ってないよ?」


「ぐっ……」


「お兄さんってば、ほんとスケベですね?」


「ふぐっ!?」


 最後にミサキさんが俺の肩をポンと叩く。


「合鍵のお礼に、今度裸エプロンでお出迎えしてやってもいいけど?」


 もちろんお願いすることにした。女子高生の裸エプロン、楽しみだな〜♡


 そのあと、夏休み期間中の過ごし方について俺と彼女たちの間で話し合いがなされたのだが……


「いいじゃん、夏休みの間だけ住んでも! あーしら、もうオッサンの妻なんだからさ!」


「ダメですよ! お家の方が心配しますって!」


 と、こんな感じの押し問答が繰り返され。俺の家に住むと言って聞かないギャルたちを『週1回のお泊まり』でどうにか納得してもらうのに30分以上かかったのだった。



 19時前。


 帰り支度も整って、さあ家を出ようかというタイミングになって、3人が壁に掛けられたカレンダーの前で会議を始めてしまった。


「じゃあ、次の土曜日にPってことで!」


 よよよよっ、4Pいいいいいい――――ッ!?


 目玉が飛び出そうなほどの衝撃である。

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