1-51 3人のギャルにキスでお仕置き(後半戦)

 リサさんの小さな唇を包み込むように口先で優しく甘噛みしていく。


「んはぁ……」


 彼女は時折り幸せそうな吐息を漏らしながら唇を俺に委ねてくる。この子とのキスの味を知っている男がこの世に俺ひとりだけだと思うと、ものすごく興奮してくる。もっと味わっていたい。


「んんっ……」


 気づけば俺はより強くリサさんの唇を求めていた。口づけをしたまま彼女の体をベッドへ押し倒し、その唇へ吸い付いていく。


「んっ……んっ……」

 

 リサさんの息づかいが徐々に荒くなってきたかと思うと、彼女の小さな両手が俺の頬を押さえる。


「んぁ……」


 すると、今までされるがままだった彼女の唇がハムハムと甘噛みを始め、俺の唇を強く求めてくる。


「んはっ……んはっ……」


 初々しくも健気に頑張る唇がなんとも愛おしく、俺は無我夢中で彼女と唇を重ね合う。


「ちょっと、リサ!? 長いんだけど!?……ってか、エロいんだけど!?」


 頬を染めたミサキさんが慌てて俺とリサさんを引き剥がす。


「わわっ、ごめんね、ミサキ。全然気づかなくて。ってか、ヤバいね!? 大人のチュウ! 私、ハマりそう!」


 リサさんはとても興奮した様子でミサキさんにそう報告した。


 俺も気をつけよう。3人の彼氏として公平に接してあげないと。


「すみません、ミサキさん。俺のせいです。つい気持ちが乗ってしまっ――」


 言葉の途中で首へ手が回されたかと思うと、俺の半開きの口はふっくらと厚い唇によってあっという間に塞がれてしまう。


「んんっ!?」


 アヤネさんの唇だった。


 息を荒げる彼女は口づけをしたまま、俺の体をベッドへ強く押し倒す。


「んはぁっ……ごめんね、オジさん。ビックリさせちゃって……。けど、目の前であんなの見せられたら我慢できない……」


「すみません、待たせしてしまって」


 俺に覆い被さるアヤネさんの頬に触れる。


「舌……入れてもいい?」


「えっ……したって? んんっ!?」


 言葉の意味が理解できないまま俺の口は再び塞がれてしまい、彼女の舌先が口内へ侵入してくる。


 一瞬驚きはしたものの、俺の口はより強い快楽を求めて彼女の舌をすんなり受け入れる。


 俺は目を閉じて、彼女の体の心地よい重みを全身で感じながら舌を濃厚に絡めていく。クチュクチュと粘液の絡む音が激しさを増していく。


「ちょっ!? アヤネ、舌入れてんじゃん!? あーし、まだそれシテないんだけどおおー!!」


「これが本当の大人のキス!? 音スゴい!?」


 ミサキさんとリサさんの驚く声が耳へ入ってはくるものの、アヤネさんのキスが情熱的すぎて次第に意識がトロけていく。


「ストップ、ストップ!! アヤネ、おしまい!! 次、あーしの番!!」


 ミサキさんが俺に覆い被さるアヤネさんの体を羽交締めにして強制終了させる。


「ちょっとぉぉ……私、もっとオジさんにお仕置きんだけど?」


 え? お仕置きされたい? お仕置きするの間違いじゃ……? 俺、後半は完全に受け身だった気がするんだけど? 舌、ねじ込まれたし。


「ダーメ! 順番! 今から!!」


 え? 2周目?


「じゃあ、今度はちゃんと持ち時間決めようよ! 1人3分ずつでどうかな!」


「リサ、ノリノリじゃん! じゃあ、アラームセットするね」


 ベッドへ仰向けになったままの俺を放っておいて、話がどんどん進んでいく。


「キスのお仕置きって、2周で終わり?」


「えっ、私、もっとしたいです!」


「リサ、超ノリノリじゃん! てか、オッサン、最初に言ってたでしょ? オッサンのチューするって! オッサン、ドスケベだから、たった2周で終わるわけないじゃーん!」


「それもそうだね!」


「確かに」


 そういえば俺、調子に乗ってそんなこと言ったな……。というか、するにしても少し休憩させてほしい。カチカチになった股間も一度鎮めなきゃ。


 俺は体を起こす。


「あの? 先にお昼ご飯にしま――」


「何言ってんの!」


 ミサキさんが俺の体をベッドへ押し戻す。


「チューのお仕置き、全然足りないんだけど!!」


「いや、続きはまたあとで……」


「あーし、待てないし!!」


 ミサキさんは俺の体に馬乗りになる。


「じゃあ3分だよ、ミサキ! よーい、ドン!」


 開始の合図とともにミサキさんはニッコリと微笑む。

 

「オッサン♡ あーし達のこと……たっぷりね♡」


 俺は笑顔を引きつらせながら答える。


「も、もちろんですぅぅ……」

 

 これ、俺がお仕置きなのでは?


「オッサンも目え閉じてね? じゃあいくよ。ベロチュうううううううう♡」


 目を閉じたミサキさんは俺の口をすっぽりと覆うようにキスをした。


 ――そうか。

 

 このとき俺はようやく理解した。


「じゃあ次は私の番だね! 素直で従順なお兄さん、とっても可愛い♡」


 いや、3人のキスで理解わからせられたと言うべきか。


「ちょっと2人とも……オジさんの口のまわり、ベトベトなんだけど」


「わっ、ホントだ。ティッシュで拭きますか?」


「ううん、このままでいい。私の口と舌でたっぷり上書きしてみたくなっちゃった♡」


「アヤネ、エッロ」



 そう……俺はようやく理解した。きっとこれが『3人のギャルにシェアされる』ということなのかもしれない。



 人数が3倍なら、その愛も3倍……いや、相乗効果で9倍くらいにはなっていそうだ。その溢れる愛を俺ひとりの体で受け止めなければならないのだ。


 正直舐めていた。まさかこれほど大変とは……。


 まあ、だからといって、このシェア生活をやめたりはしない。とびっきり可愛いギャルたちがひっきりなしに俺の体を求めてくるとか、男としてこの上ない喜びである。


 ひとつ不満があるとすれば、やられっぱなしになっているコトだろうか。俺は彼女たちのオモチャではなく、れっきとした彼氏なのだ。3人にちゃんと理解わからせなければなるまい……。


 俺が『逞しいオス』だってことをな! フハハハハハハッ!


「ねえ、ミサキ。なんかお兄さん、ニヤニヤしてる」


「罰ゲームだな。オッサンを『チュウの刑』に処す!」


「え、もう1周するの? 最高っ♡」


 すみません。ギャルを理解わからせるとか調子乗ったこと考えてすみませんでした。もう許してください。でないと……


 唇、もげちゃうってええええ!?


「オッサン、チュうううううう♡」


「ひぃぃぃっ!?」


 結局そのあと何周したかも分からない。30分ぐらい経ったころ、ミサキさんのお腹が「グウーー」と盛大に鳴り、部屋が笑い声に包まれたところで、俺はようやく解放されたのだった。


 ――ギャルの愛、恐るべし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る