第45話 妹ギャルはラインでお兄さんに甘えたい
「いや〜……この歳になって、現役JKと本気キスしちゃったよ〜」
風呂上がり。牛乳の入ったグラス片手に顔が緩む。帰宅してからニヤニヤが止まらないんだが?
女子高生って匂いだけしゃなくて唇も甘いんだもんな。あんなの反則だ。
まあ今の世の中。パパ活すれば女子高生とキスなんて簡単にできちゃうんだろうけど、俺はやっぱり好きな子と愛のあるキスがしたい。
ミサキさんやアヤネさん、そして今日から俺の恋人になったリサさんと――
あのあと俺と彼女は駅前広場でお互いの気持ちを確かめ合った。
「私はお兄さんのこと、その……大好きですよ。お兄さんは私のこと……好きですか?」
可愛い妹が照れた上目遣いで尋ねてきたら、答えるしかないよな。
「もちろん好きですよ! もうペロペロしたいくらいに!」
「……」
あの時はマジで焦ったよ。リサさん、本気で通報しようとするんだもんな。ホント、俺の妹は冗談が通じないんだから。
「オッサン、あーし達ともチューするぞ! チュウうううう――」
そのあと合流してきたミサキさんとアヤネさんにキスを迫られたけど、どうにか我慢してもらった。
真っ昼間の広場でJK3人と熱々キス大会なんか開催してみろ、それこそ通報案件だ。
しかし諦めきれない2人は――
「あーし、涼しい場所で休憩したいかもー」
「2時間ぐらい休憩できる場所、私知ってるよ。そこなら人目もないしさ」
と、明らかに俺をラブホへ連れていこうとする経験済みなミサキさんとアヤネさんに対して――
「ちょっと2人ともっ! 私のお兄さんを誘惑しないでよーっ!!」
真っ赤な顔して2人を引き剥がそうとする初心なリサさんの対比がおかしかったな。
「……ふふっ」
俺は昼間の出来事を思い出しながら部屋でひとり微笑む。
気づけば、たった1週間で女子高生の恋人が3人もできてしまった。
しかも三股ではなく3人に仲良く『シェア』されている状態なので誰かと別れる心配もない。
俺は指折り数える。
美人ギャルのミサキさんに巨乳ギャルのアヤネさん、妹ギャルのリサさん。3人とも男子から告白されまくりの美少女だ。
ミサキさんとアヤネさんはその美貌が他校にまで知れ渡っているし、リサさんはイケてる男子を一目惚れさせてしまうほど可愛らしい容姿の持ち主。
そんな3人が今や全員俺の彼女である。
いやー、男子高校生たちの夢を奪ってしまってホント申し訳ないよー。ガハハハハ! 牛乳がうんめえー!
ピロン
大の大人が大人げなく高校生相手にマウントを取っているとスマホが鳴る。
今日から俺の妹……いや、彼女になったリサさんからだった。
俺はさっそくアプリを開く。
▲リサ
【今日はお兄さんのおかげでとても楽しく過ごせました】
きっちりしてるな。彼女らしい。
俺
【こちらこそ、リサさんと一緒に過ごせて楽しかったです】
リサ
【一生忘れられない日になりそうです】
嬉しいことを言ってくれる。
リサ
【だって】
【
【責任、取ってくださいね?】
「…………ん?」
俺は眉間を摘んでから再び画面へ目を向ける。そこにはやはり『ファーストキス』と書かれている。
「ファファファ、ファーストキスっ――!?」
ミサキさんのギャル友だから、てっきりキスの経験はあるものだと思い込んでいた。まさか昼間のアレが初めてだったとは……。
女の子にとってファーストキスは一生モノだと聞く。それがロマンチックのカケラもない場所で、相手が10コも年上の俺。しかもキスの味がオジさんって……。
下手すると、トラウマ級では?
と、とにかく早く謝らないと!?
俺
【すいません】
【キスが初めてだと思わなくて……】
【償いきれるか分かりませんが】
【俺にできることなら何でもさせてもらいます】
リサ
【じゃあ、明日はちょうど日曜日なので】
【両親とお姉ちゃんに
「ん?」
俺
【えっと……挨拶とは?】
リサ
【決まってるじゃないですか】
【
「…………んん?」
俺は目を擦ってからもう一度画面を確認してみる。そこには確かに『結婚の挨拶』と書かれている。
「そっか……俺、とうとう結婚するのか……」
――――って、結婚ッ!?
俺は慌てて返信する。
俺
【さすがに今日付き合い始めたばかりで結婚は早い気が……】
【もちろん、ファーストキスを奪ってしまったことに責任は感じてますけど……】
ピロン
リサ
【お兄さん、何言ってるんですか?】
【冗談に決まってるじゃないですか笑】
じょ……冗談?
リサ
【昼間、私をからかったお返しです】
【ビックリしましたか?】
俺
【心臓が飛び出るかと思いました笑】
リサ
【フフフフ】
【ドッキリ大成功ー٩(๑>∀<๑)۶!笑】
プッ、めっちゃかわいい。
俺
【まんまとやられました笑】
リサ
【大人なのに情けないですね、お兄さん笑】
俺
【確認なんですけど】
【キスが初めてだったというのは本当ですよね?】
リサ
【あれは本当です】
【オジさんの味がしたというのも本当です】
「うっ……」
俺
【その件はその……すいませんでした】
リサ
【別に謝る必要ないですって】
【全然嫌じゃなかったので】
俺
【そうなんですか?】
リサ
【はい】
【だって好きな人とキスできたんですよ】
【嬉しいに決まってるじゃないですか】
【それに私、お兄さんの
俺
【味!?】
リサ
【間違えました】
【お兄さんの匂いです】
俺
【ビックリしましたよ笑】
【今度会った時、ペロペロされたらどうしようかと思いました笑】
リサ
【しませんって笑】
【けどその……これからデートの時は毎回キスしてもいいですか?】
俺
【もちろん】
【たくさんしましょうね笑】
リサ
【よろしくお願いします(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
冗談で言ったつもりが、リサさんもわりと乗り気じゃないか。
お兄ちゃん、困っちゃうなあー!!
リサ
【すみません】
【お姉ちゃんに呼ばれちゃいました】
【そろそろお風呂に入らないと】
俺
【分かりました】
【昼間のキスを思い出して、のぼせないように気をつけてくださいね笑】
リサ
【のぼせちゃうかもしれません笑】
妹とのライン、めっちゃ楽しいんだが!
リサ
【あの、お兄さん】
【お風呂から上がったら、またラインしてもいいですか?】
俺
【もちろん】
【明日は日曜日ですし、ちょっとぐらい夜更かししちゃいましょうか?】
リサ
【はい!】
【お兄さん、大好きです♡】
ハート大好き、頂いちゃいましたっ!
俺
【じゃあ、またあとで】
リサ
【お風呂、いってきます( •̀ω •́ゞ)✧】
リサさんが最後に送ってきた敬礼ポーズのスタンプでとりあえずひと区切りがついた。
「妹が可愛いすぎるってぇぇぇぇ」
ラインの画面を見ながら顔をほころばせているとスマホが鳴る。
ミサキ
【明日、みんなでオッサン家行くから!】
【みんなでチューしまくりだし!】
【覚悟しといてね(๑˘ ³˘๑)チュ~♡】
俺はスマホを手にしたまま、しばらくの間フリーズするのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます