【60万PV突破!】オッサン、3人のギャルに『シェア』される!?〜元気いっぱいな美人ギャルに懐かれた平凡サラリーマン、ギャルづくしな毎日が始まってしまう〜
1-42 イケメンライバルの再来があまりにも早すぎる件
1-42 イケメンライバルの再来があまりにも早すぎる件
「ツツっ……ツバサくん!?」
複合アミューズメント施設ラウンドツーのボウリングフロア。トイレの入口から少し離れた場所で俺に声をかけてきたのは、アヤネさんの幼馴染にして俺の『恋敵』でもあるイケメン主人公『ツバサくん』だった。
「ども!」
「や……やあ? 奇遇だねぇ……?」
まあ、恋敵といっても、アヤネさんが俺にベタ惚れ状態だから辛うじて三角関係になっているだけだ。長い手足に小さな顔、まるでイケメン芸能人のような彼のルックスに俺なんかが太刀打ちできるハズがない。
というか、この前会ったときは超イケメンに過ぎなかったツバサくんが、数日経っただけで『爽やか超絶イケメン』に進化している。
高校生にして、すでに男としての魅力がカンストしているように見える。恐ろしい子っ!
俺が彼に『自分を磨いて、アヤネさんを奪いに来なさい』なんて偉そうなコト言ったから、マジでイケメンに磨きが掛かっている。どうしよう……まさか本当にアヤネさんを奪いに来たとか?
「……」
いくらなんでも早すぎない!? 俺、アヤネさんとはエッチどころか、プリプリな唇にチュウすらしてないよ!?
「アヤネは一緒じゃないんですか?」
爽やか超絶イケメンが爽やか過ぎる笑顔を向けてくる。キラキラしていて直視できないっ!
「ご、ごめん……実は一緒なんだよね。彼女、今トイレに行っててさ……」
なんか謝ってしまった。
「ははははっ! お兄さんは面白いですね!」
なんか笑われた。
「謝る必要ないですって。お兄さんは正真正銘アヤネの彼氏なんですから。デートして当然ですよ!」
「かはっ!?」
イケメンの笑顔が眩しすぎて体が石化した!?
「ツバサ? その人、誰?」
しかもお友達らしき陽キャ男子が3人も追加されて、ますますピンチに!?
「聞いて驚け、お前ら。このお方はな……アヤネの新しい彼氏になった、
超イケメンがドヤ顔で俺のことを紹介する。
ひょぉぉぉぉぉぉぉっ!?
ただのモブリーマンでしかない俺は心の中で悲鳴を上げる。もう笑顔を維持できない。
「へえー、この人がそうなのか……。こう言っちゃなんだが、普通だな。あのアヤネが好きになるような相手だから、ツバサ並みのイケメンだと思ってた」
うん、分かるよ。そう言いたくなる気持ち。
「おい、失礼だろ! 男はな、見た目じゃなくてハートなんだよ!」
ツバサくんが熱すぎて辛い……。
「ですよね! お兄さん!」
超イケメンがキラキラな笑顔を向けてくる。
「そ……そうだねぇぇ」
誰か助けて。
「ああっ! アヤネの彼氏じゃん!!」
今度は女子!?
陽キャ男子の壁の向こうから派手めなギャルグループが近づいてくる。
「って、あれ?」
その4人組は以前ショッピングモールで一度だけ顔を合わせたアヤネさんのギャル友たちだった。4人は男子たちに合流する。
「奇遇だね、彼氏ー! アヤネとデートかー!」
俺をお試しエッチに誘ってきた明るいギャルが背中をバシバシ叩いてくる。お団子頭をしているから『お団子ギャル』と名付けよう。……というか痛い。
「ま……まあ、そんなところです。ははは……」
リア充陽キャ軍団に完全包囲網されてしまった。汗が止まらないって!
「いいよねー、好きピがいる人は。私とノアにはいないんだよねー」
お団子ギャルが小柄なギャルの肩を組む。この子は確か自分のことをドSだって紹介してたな……『小悪魔ギャル』と命名しよう。
「私たちだけフリーなんだよねー。いい男がいなくてさー」
「フリー……」
2人ともけっこう可愛いのにな。
「って、ちょっとお兄さん。フリーって言っても『誰にでも股を開く』って意味じゃないからねー!」
「わかってますよ」
お団子ギャルがバシバシと背中を叩いてくる。だから痛いって。
「もぉぉ、お兄さんのエッチぃぃぃ」
聞いちゃいねえ!?
「ちなみに。こことここが付き合ってて、こっちとこっちも恋人同士」
お団子ギャルが陽キャグループの中で男女のペアを作る。
「へ、へえ……」
2組ともお似合いだな。俺とアヤネさんとは大違いだ。
「ねえねえ、お兄さん?」
小悪魔ギャルことノアさんに袖を引っ張られる。
「アヤネもいないしさ。今のうちに私と連絡先交換しない?」
「えっ、連絡先……?」
なぜ?
「アヤネの恥ずかしい秘密……色々教えてあ・げ・る♡」
「恥ずかしい秘密……」
まったく……なんて悪い子なんだ。小悪魔だけにな!
「是非!」
俺はスマホを差し出す。
「あっ、ノアだけズルい! 私とも交換しよーよ!」
結局、お団子ギャルことヒビキさんとも連絡先を交換した。最近追加されたラインの友だち欄がギャルで埋め尽くされている。
モテ期か?
などとバカなことを考えていると小悪魔ギャルが耳打ちしてくる。
「今度、アヤネに黙って2人きりで会いたいな♡」
「いや、それはできませ――」
「――リサもオッサンと付き合えばいいじゃん!!」
小悪魔ギャルからの秘密のお誘いを断ろうとした俺の耳に賑やかな話し声が聞こえてくるのだった。
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