【1章完結】オッサン、3人のギャルに『シェア』される!?〜元気いっぱいな美人ギャルに懐かれた平凡サラリーマン、ギャルづくしな毎日が始まってしまう〜
第40話 オッサン、3人のギャル(+女子大生)の前で辱めを受ける
第40話 オッサン、3人のギャル(+女子大生)の前で辱めを受ける
第1回『負けたら変顔ボウリング大会』が始まってしまった。試合開始早々、ミサキさんの投げた球が快音を響かせる。
「やったー! ストライクー!!」
なにいいいい――ッ!?
「いえーい!」
ギャル3人が楽しげにハイタッチする。
「次は私ね」
アヤネさんが美しいフォームでボールを投擲する。
カコンッ!!
「ああっ! 惜しいっ!」
9本っ!? マジかよっ!?
アヤネさんはそのあときっちりスペアを仕留めた。
「いえーい!」
アヤネさんは軽く跳ねながらハイタッチしていく。それに合わせてGカップの胸がポヨンポヨンと楽しげに揺れるではないか。まったく……
俺の彼女は実にけしからんなあッ!!
キュキュキュキュキュキュ――
……っといかんいかん。
興奮のあまり、球を磨きすぎてしまった。
隣の女子大生に変なヤツだと思われる。
軽く咳払いした俺はモニターに映るスコア表へ目を向ける。
ミサキさんとアヤネさんは1フレーム目でストライクとスペアか……。まあ、これは想定の範囲内。2人とも運動ができるみたいに話していたからな。
つまり最下位争いは激重ボールの俺と、両手投げのリサさんによる一騎打ち。
「フッ……」
まずはお手並み拝見といこうじゃあないか、我が妹よ!
「うぅ……重い……」
リサさんはボールを両手で抱えてヨチヨチ歩きで投球位置まで向かう。
おいおい? そんな状態でまともに投げられるのか? 我が妹よ。
「リサ、頑張ってね! とりあえず真ん中狙っとけば大丈夫だから!」
「わ、わかった! えいっ!」
リサさんはボールをわずかに後ろへ振ってから、その場に優しく落とすようにレーンへ投げ入れる。ボールはゴロゴロと頼りなく転がっていく。
うはは! これは勝ったな!
あの球のスピードではピンを倒すことはおろか、そもそもピンまで辿り着くことも叶わないだろう。
「……って、あ……あれ?」
予想に反して、球はユラユラと揺れながらも奥へ奥へと転がっていく。
パコ! ゴトゴトゴト――
「わっ! やった!」
ははは、8本んんん――――ッ!? あの球でええ!?
もちろんヘロヘロ球ではスペアは取れなかったものの、リサさんは追加で1本倒してみせた。
「やるじゃん! リサ!」
「いえーい!」
ギャルたちは大いに盛り上がる。
「次、オッサンだよ! カッコいいとこ、見せてね!」
「お……おおっ! 任せてくださいっ!」
俺は16ポンド砲を構えて位置につく。
重さに慣れてきたせいか、この感じだと片手でも投げられる気がする。
深呼吸してからピンに狙いを定めて集中していると、背中から微かに声が聞こえてくる。
「落ちろー落ちろー」
「落ちろー落ちろー」
「ねえ……2人とも? それはさすがに可哀想じゃない?」
「オッサンが負けた方が絶対面白いって!」
「アヤネさんも私たちと一緒に
――念っ!?
「えっ、私も? もぉ……しょうがないなぁ……」
「落ちろー落ちろー」
「落ちろー落ちろー」
「落ちろー落ちろー」
3人揃って念を送り出した。
ちくしょう! 泣いてやる!
「……ふぅ」
落ち着け。外野の声なんか気にするな。
家でコツコツ筋トレしてるんだ! 俺ならやれる!
「よしっ」
俺は助走をつけて16ポンド砲を片手で振りかぶ――
「あっ」
――腕が逝かれる
危険を察知した俺はとっさに両手投げに切りかえて、足をもつれさせながらも、どうにか球をレーンへ放る。
ガンッ!
もちろん上手くいくはずもなく、俺の1投目は見事ガターだ。
「オッサン、超カッコ悪いんですけどおおー!」
ミサキさんは大爆笑である。
「ミサキ、そんなに笑ったらお兄さんが可哀想だって……プフフッ」
リサさんはお腹を抱えてヒーヒー笑っている。
くそう……。
「オジさん、まだ始まったばかりだからね。2投目頑張って! ファイト!」
そうだ。アヤネさんの言うとおり、勝負は始まったばかり。片手投げは諦めて全力の両手投げでいく!
泥臭くても勝利を掴んでやる! オッサンの変顔なんて見るに耐えないモノ、誰も求めてないんだよ!
「うおおおおおおお――――ッ!!」
――30分後
「オッサン、それじゃあ、つまんないって!」
「へっ、変顔なんてやったことないんですって!?」
女子高生3人にスマホのレンズを向けられたまま叱責される。
恥ずかしさが限界を突破してるんだが!
「オジさん、恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。変顔なんて私も遊びでよくやるしさ。それに、私たち以外誰も見てないんだし」
俺は3人の後ろへチラリと目を向ける。
隣で遊んでいた女子大生のお姉様方が、手を止めて俺を見てるんだが? 追加で4人もギャラリーがいるんだが?
「ンフフッ……ほら頑張ってください、お兄さん。変顔写真は私のスマホにバッチリ保存してあげますからね……プフフフフッ」
妹に煽られる。
俺がゲーム開始前に彼女へ送った言葉を、そっくりそのまま返されてしまった。くそう……。
「……ふぅ」
腹を括ろう。ハンデがあったとはいえ、俺は勝負に負けたのだ。そう……完膚なきまでに。
変顔なんて会社のプレゼンに比べれば屁でもない。
それに、顔を見せる相手は俺の恋人たちだ。多少微妙な感じになっても、きっと温かく迎え入れてくれる。
「オッサン、頑張れ!」
「オジさん、頑張って!」
「お兄さん、頑張ってください!」
3人のギャルにエールを送られる中、俺は両手で顔を覆う。
「いきます!」
俺は意を決して、3人(プラス4人)に向かって開顔する。
これがサラリーマンの全力の変顔だああああ――ッ!!
◆
「はぁ……」
受付で4人分の会計を済ませた俺はトイレの入口近くでひとりため息をつく。
「変顔って案外難しいんだな……」
笑ってもらおうと思ったのに、なぜか拍手を送られてしまった。まあ、微妙な顔をされるよりは何倍もマシだが。
「オッサン、惚れ直したぞ!」
ミサキさんはいいね!してくれたし、他の2人も喜んでくれてたから良しとしよう。
隣で遊んでだ女子大生たちにもイヤな顔はされなかったし。むしろ俺に興味を持ってくれてた気さえする。
今の俺ならワンチャンいけたかもしれない。
――お姉様方もどうですか? 俺のこと、一緒にシェアしてみませんか?
「なあーんてな!」
「あれ?
「調子に乗って、すいませんでしたああ――っ!?」
男に声をかけられて反射的に頭を下げてしまう。
「何やってるんですか、お兄さん? オレですよ、オレ。顔、上げてください」
あれ? この声どこかで……?
俺はゆっくりと顔を上げる。
「って、陽キャオーラが眩しッ!?」
俺は思わず顔を背ける。
俺の知り合いらしき男は溢れんばかりの『陽のオーラ』を全身から放っているではないか。陰キャ体質の俺には眩しすぎて直視できない。
「奇遇ですね! お兄さんもこれからボウリングですか?」
だ……誰だ?
俺は恐る恐る顔を戻して、男の顔を確認する。
「えっ!? ツバサくんっ――――!?」
「どもっ」
陽のオーラをほとばしらせて爽やか笑顔を向けてきたのは、アヤネさんラブの『イケメン幼馴染』だった。
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