3人目のギャル「雨宮リサ」
1-36 心も体もピュアピュア♡なギャル
「シェアって、二股とは違うんですか?」
雨宮さんがどこか興味ありげな様子でアヤネさんに尋ねる。
「全然違う。だって二股って、陰でコソコソ付き合うやつでしょ? 私とミサキは違う。全部
「それデートの日、絶対かぶるじゃん!」
「かぶった時はそのまま3人でデートすればいい。今日みたいにね」
「なるほどー!」
「私はミサキが一緒でも全然構わないから」
「アヤネ、気が合うじゃん! あーしもね、アヤネなら全然OKだし! あっ、けどさ。3人でデートして、そのままお泊まりしたらさ……」
ミサキさんがニヤニヤし始める。
『
「ちょっ!?」
真っ昼間のファミレスでギャルが大興奮している。
「それは私もしたことない。オジさんなら、
「しっ、知ってるわけないじゃないですかっ!?」
「けど、見たことはあるでしょー? だってオッサン、毎日エロ動画見ながらシコってるもんね!!」
「ちょおおッ!?」
「昨日のオカズはギャル2人とヤッてるハーレムものだったりしてね」
「ふぐっ!?」
図星である。
「オッサン、顔真っ赤じゃん!」
「オジさん、可愛い」
ギャル2人にからかわれて、俺はもうタジタジである。そして俺の他にもうひとり、顔を真っ赤にしながら隣でアタフタしている子がいる。
「ミ、ミサキもアヤネさんも早くお肉食べちゃいなよっ!? せっかく美味しいのに冷めちゃうよっ!?」
頬を染めた雨宮さんは「まったくっ!」と可愛らしく鼻を鳴らしてからステーキをパクパクと食べ進めていく。
「リサも顔真っ赤だね」
「うえっ!? べ、別にそんなことありませんよっ!?」
ギャル2人の矛先が雨宮さんへと向けられる。
「リサはねぇー、エロトーク苦手なんだよ。いっつも顔赤くすんの」
「へえー、可愛い」
「ちょっと、ミサキ!? 私の話はいいから!?」
「恥ずかしがることないじゃん! 苦手なのはしょーがないし! だってリサ、心も体も超ピュアだもんね!
「――ッ!?」
一瞬、時が止まる。
「ミミミ、ミサキいいいいいッッ!?」
秘密を暴露された雨宮さんが勢いよく立ち上がる。彼女の絶叫が店内にこだました。
「リサ、いったん落ち着こう。ここ、ファミレスだから」
「だって、アヤネさああああん!?」
雨宮さんは半泣き状態だ。
「わかってる。今のはミサキが悪い。人前で言っていいことと悪いことがあるもんね。ミサキはリサに謝りなさい」
アヤネさんがミサキさんの頭を軽くチョップする。
「ご……ごめんて、リサ」
「もー!! 信じらんない!!」
ミサキさんが困った笑顔で謝ると、雨宮さんは憤慨しながらテーブルへ突っ伏す。
「大丈夫ですか? 雨宮さん?」
俺は隣で落ち込む彼女の頭に軽く触れながら声をかける。
特に嫌がる様子はなかったので、そのまま彼女の髪の毛を優しく撫でていく。青いメッシュの入った黒髪はサラサラで気持ちいい。
「お兄さん……」
「あっ、すみません。触られるのは嫌でしたか?」
「全部
「え?」
「そうね、全部オジさんのせいかもね」
雨宮さんに続いてアヤネさんもそんなことを言い始める。
「えっ、俺が悪いんですか!?」
「そうです!」
勢いよく体を起こした雨宮さんが目に涙を浮かべて俺に訴えてくる。
「全部お兄さんのせいですからね! 公衆の面前で私に恥をかかせたこと、ちゃんと謝ってください!」
「ええ……」
いくらなんでも理不尽すぎるだろ?
一度アヤネさんへ目を向けるが、コクリと頷き返されてしまう。はぁ……仕方ない。
「すいませんでした……」
釈然としないものの、とりあえず謝った俺に対して雨宮さんは腕を組んでツンとそっぽを向く。
「特別に許してあげますけど。その代わり、私の頭をヨシヨシして慰めてください。もちろん、お昼ご飯を食べ終わるまでずっとですからね」
「え? 頭を?」
「そうです。しっかりと心を込めて優しく撫でてください」
なぜ?
「もちろん、デザートが終わるまでですからね!」
「わ……わかりました」
仕方ない。
言われたとおり雨宮さんの頭を優しく撫で始めると、彼女はムスッとしながらも食事を再開させる。俺はいったい何をやらされているんだろう?
「リサ、羨ましいなぁー。あーしもしてほしいなぁー」
指を咥えたミサキさんが物欲しそうな目でこちらを見てくる。可愛らしいったらない。今すぐヨシヨシしてあげたい。
「ちょっと! お兄さん! 手が疎かになってますよ!」
「すいませんっ!?」
注意を受けてしまった。この子の機嫌が直らないうちは無理だな。
「ふふっ」
アヤネさんが不貞腐れながら食事をしている雨宮さんに微笑みかける。
「リサも気に入ったんだ」
「何をですか?」
「オジさんの手。おっきくて気持ちいいでしょ?」
「うえっ!?」
雨宮さんの顔が真っ赤になる。
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