1-30 巨乳ギャルのオフショル姿がエチチチチチ

 昼の11時前。駅近のファミレスチェーン店の店内。待ち合いスペースにて。

 

「かはっ――――!?」


 中学からの親友でこの店の店長をしている山本が私服姿のアヤネさんを見て、口をあんぐりさせる。


「採用!!」


 山本は親指をビシッと立てた。


「いや、この子はバイト希望じゃないからな」


「マジかよッ!? なら店の売り上げアップ間違いなしなのに!? ミサキちゃんと組んだら、エリアトップ……いや、全国トップも夢じゃないのに!?」


 山本はアヤネさんの胸の谷間をガン見しながら本気で悔しがる。


「おい、どこ見て言ってんだ、。訴えるぞ」


「オジさん、この人知り合い?」


 俺と腕を組むアヤネさんが可愛らしく小首を傾げる。


「そぉですねぇ。この失礼な男とは中学からの腐れ縁でしてぇぇ」


 と答えつつ、俺の視線は露わになった胸の谷間へと吸い寄せられる。


 オフショルダーの夏らしいトップスに細身のパンツスタイルのアヤネさんは、制服姿では見せることのなかったGカップの胸の谷間を解禁しているのだ。


 露出したデコルテライン(胸上から鎖骨のあたり)がラメでキラキラしていて、エロさ増し増しである。


「ふふっ、嬉しい。オジさんがのこと気に入ってくれたみたいで」


 アヤネさんはそう言って、Gカップをボヨンと揺らしてみせる。


「うひょおおおおおお――――っ!!」

 

 俺より先に奇声を発したのはセクハラ店長だった。


 まあ、スケベな俺と違って山本の場合、揺れるオッパイに興奮しているのではなく、この幸せオッパイが生み出すであろう『金』に目がくらんでいるだけだ。


 山本の目玉を見れば一目瞭然。


「こりゃあ、ガッポガッポだぜえええええッ!!」


 ほら、『¥マーク』になってる。


「おぉーい、やまもとぉぉ。ふざけてないで早く席に案内しろってぇぇ」


「おいおい、親友! そんなじゃあ、席へ案内できないぞ! ホント、お前はドスケベだな! ははははっ!」


「……」


 俺の目は『ハートマーク』になってたっぽいな……。気をつけなきゃな……うん。


「2名様、ご案内いたしまーす!」


 山本は俺とアヤネさんを4人席へ案内すると『ごゆっくりどうぞおー』と茶化すようにお辞儀して、俺の顔をニヤニヤと見てから業務へ戻っていった。


 俺は席へ着いたアヤネさんへ謝罪する。


「すみません……だらしない顔を晒してたみたいで……」


「別に謝ることじゃないって。オジさんも男なんだしさ。それに私、オジさんにならいくら見られても平気だし」


 アヤネさん、マジ天使♩

 

「それじゃあ、ミサキさんを迎えに行ってきますね。けど、本当にいいんでしょうか……? どちらとも付き合う、なんて選択をしてしまって……」


「前にも言ったでしょ? 私はそれで構わないって。あとはミサキ次第。そんなに心配しなくても案外上手くいくと思うよ」


「だといいんですけど……。ただ、ミサキさんが前の彼氏と別れた原因も二股なんですよね……」


「まあ、最低だもんね。二股」


「うっ……」


「冗談だって。ほら、突っ立ってないで、とりあえず行っといで。私がなんとかしてあげるからさ」


 呆れ笑いのアヤネさんが俺の太ももを叩いて元気づけてくれる。

 

「じゃあ、いってきます。ドリンクバーは頼んであるので何か飲み物でも飲みながら、少しだけ待っててください」


「うん、そうする」


「あとその……今日の夕食のことなんですけど……」


「わかってる。延期にしといた方がいいかなと思って、お母さんにはもう伝えてあるから」


「すみません……せっかく誘ってもらったのに……」


「別にいいって。私はこうしてオジさんと会えてるんだし」


 ホント、この子には頭が上がらない。


「あ、そうそう。念のため言っておきますけど、さっきの山本……店長に何か質問されても答えなくていいですからね」


「心配しなくても大丈夫だって。オジさんが『JKの汗だくブラジャー』をプレゼントされて大喜びしたことは言わないから」


「絶対にやめてください」


 俺はクスクスと笑うアヤネさんに念を押してから店の入口へと戻る。


「げっ」


 しかし待ち合いスペースで俺を待ち構えていたのは、ムカつくほどのニヤケ顔を向けてくるセクハラ店長だった。


「あれあれえー? 二股ですかあー?」


 うぜえぇぇ。


 俺が無視して店を出ようとすると肩を組まれる。


「うるさい、離せ。俺は急いでるんだ」


「いやぁー思い出すなぁー。お前がになったのも、確か今ぐらいの暑い時期だったよなぁー」


「は? 何の話だよ?」


「とぼけるなよ。高2の夏休み前だって。お前がし始めたときはさすがに震えたね! 先輩、同級生、後輩、中学生、挙げ句の果てには小学生だもんな! お前には敵わないよ、まったく……」


 ヤレヤレとため息をつく山本の腕を静かにほどく。


「山本よ……どうやら俺とお前では生きているが違うらしい。これ以上お前とは何を話しても無駄だ」


「まあそう言うなよ。あの時はチカラになれなかったが、今回は違う! 困ったことがあれば遠慮なく言ってくれ! までなら助けてやる!」


「ふんっ! お前のチカラなんか1度だって借りるかよ!」


「お手並み拝見だな、!」


 コイツ……。


 山本は俺の鋭い視線をヒラリとかわすと、軽くスキップを踏みながらバックヤードへ入っていった。


「はぁ……本番はこれからだってのに……」


 俺は深い溜め息をついてから自動ドアを出て、ミサキさんの待つ駅前へと向かうのだった。

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