1-23 巨乳ギャルはラインで愛を伝えたい(後編)

〜前回の続きから〜

巨乳ギャルとのラインを満喫中――


アヤネ

【そうだ】

【オジさん、今欲しい物ある?】


【欲しい物?】


アヤネ

【ストラップのお礼がしたい】


【別に気を遣わなくていいですよ】


アヤネ

【私がオジさんにプレゼントあげたいの!】

【あ、けど高い物はダメだよ】

【私の体、ってのもナシね】

【そういうことじゃないから】


【わかってますよ笑】


「うーん……」


 欲しい物か……特にこれといった物がないんだけどな……。まあ、強いて言えばハンカチかな。ミサキさんに1枚あげちゃったし。相手が巨乳女子高生だからって『ブラジャー』なんて言えるわけないしな!


 ヒュポッ


俺【ブラジャー】


「ん?」


 なぜかトーク画面の右側に『ブラジャー』と打ち込んである。もちろんすでに送信済みだ。


「……」


 ととと、取り消しだああああ――――ッ!?


 俺はすぐさまメッセージの取り消し処理を行う。削除ではなく取り消し操作を行なったので向こうの画面からもちゃんと消えているはずだ。


「ふぅ……」


 俺は落ち着いてメッセージを打ち直す。


【ハンカチですかね】


アヤネ

【そっか】

【じゃあ、明日あげるね】


 よかった。誤って『ブラジャー』と打ち込んでしまったことは気づかれなかったみたいだ。


 ホッと胸を撫で下ろしてから時刻を確認すると、すでに23時半を回っていた。


【そろそろ寝ましょうか?】


アヤネ

【そうする】

【けど眠れないかも】


【どうしてですか?】


アヤネ

【幸せすぎるから♡】


【じゃあ、ぐっすり眠れるように】

【おやすみの魔法をかけてあげましょう】

【よしよしヾ(´ᵕ`*)】


アヤネ

【ちょっ、やめてよ】

【想像したら、もっと眠れなくなるじゃん笑】

【授業中居眠りしたらオジさんのせいだからね笑】


【アヤネさん、かわいい笑】


アヤネ

【早く明日の夕方になってほしい】


【俺も待ち遠しいです】

【おやすみなさい、アヤネさん】


アヤネ

【おやすみ、オジさん】

【大好き♡】


「大好き、だってぇぇぇぇ」


 俺はベッドへダイブして枕を抱きしめながら身をよじらせる。


 いや、可愛すぎるだろ!! アヤネさん!!


 しかも巨乳ギャルにエッチなお願いし放題とか最高じゃん! けど忘れるなよ、相手は高校生だ。俺はもう立派な大人だし、ちゃんと節度はわきまえないとな。


「うーむ……」


 高校を卒業するまで本番行為は控えた方がいいのだろうか? 月一ぐらいのお泊まりならセーフか? 毎週末あのオッパイに挟んでもらえたら幸せだろうなぁー。


 っと、いかんいかん。制服ギャルのパイズリシーンを想像しただけでアソコがカッチカチだ。


 俺は昨日と同じように巨乳女子校生の動画で興奮を鎮めて、そのまま眠りについたのだった。



 コトの重大さに気づいたのは翌朝のことである――


 俺は寝巻き姿のまま、スマホの置かれたテーブルの前で頭を抱える。


「うおぉ……」


 起き抜けにラインを確認したら動けなくなってしまった。


ミサキ

【おはよう♩ オッサン♩】

【あーし達がもうすぐ1週間たつじゃん?】

【そろそろチューしたいかもー!笑】

【今日も6時に駅前で待ってるね♡】


アヤネ

【おはよう、オジさん♡】

【今日友達に、オジさんとこと報告するの楽しみ】

【夕方の6時に駅前で待ってるね♡】


「……」


 舞い上がりすぎて、ダブルブッキングのことをすっかり忘れていた。しかも完全に『二股』だ。


「俺はいったいどうすれば……」


 結局、解決策が見つからないまま家を出る。そのまま俺は足取り重く会社へ向かうのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る