第20話 巨乳ギャルはデート中にイケメン幼馴染に遭遇する

「やっぱり初デートの記念はプレゼントに限るなぁー」


 巨乳ギャルこと藤咲アヤネさんはスマホに取り付けた『紫色のビーズストラップ』を満足そうに眺める。


「オジさん、ありがとう。これで私ともだねっ♡」


「そ、そうですねー。はははっ……」


 アヤネさんの行きたい場所とは駅前にあるショッピングモールのスマホアクセサリー店だった。


 嫌な予感がしつつも、しっとりセクシーギャルの口内エキスがたっぷりコーティングされたあまーい飴玉に脳を溶かされた俺に抵抗する意志などあるはずもない。


 彼女は俺と恋人繋ぎをしながら店へ入ると、迷うことなくストラップのコーナーへ向かった。


「あの子は確かピンク色だったよね? じゃあ私は紫色にしようかな」


 ストラップを手に取ったアヤネさんは俺にお願いしてきた。


「初デートの記念にぃ、プレゼントしてほしいなぁー」


 巨乳ギャルにとびっきり可愛くお願いされて断れるわけもなく――


「はい、オジさん。クレープ、あーん♡」


「あ……ああーん」


 現在、俺はモールのベンチに座りながら、しっとりセクシーな巨乳ギャルに餌付けされている。クレープが甘いったらない。自然と顔が緩んでくる。


 こんな姿、とてもじゃないがミサキさんには見せられないな。とは思いつつも――


「連絡先も交換したし、これでいつでもオジさんと話せるね」


「そうですねぇぇぇぇ」


 クレープを食べ終わったアヤネさんに、嬉しそうに腕を組まれたが最後。俺はもう彼女に夢中である。


 だって仕方ないだろ? 軽く腕を組まれただけで、フワッフワのマシュマロおっぱいの感触がワイシャツ越しに伝わってくるのだ。これで落ちない男はいないと思う。


 はっきり言って彼女をこのままお持ち帰りしたい。一体俺はどうすれば……。


「オジさん、口元にクリームついてるよ。取ってあげるね」


 アヤネさんは人差し指で俺の口元を拭うと、クリームのついた指を差し出してくる。


「はい、あーん♡」


「ああーん」


 俺は迷うことなく彼女のキレイな指を咥える。ギャルって指先も甘いんだなぁ。


「ちょっ、そんなに吸ったらくずくったいってばぁ」


 巨乳ギャルは恥ずかしそうに指を引き抜く。


「今の、ちょっとエッチかも」


 アア……アヤネさああああん!!


 ダメだ。俺、この子のことも好きかもしれない。


「――あれ? アヤネじゃね?」


 俺が彼女に見惚れていると、男の声が聞こえてくる。


 声のした方へ顔を向けると通りかかった学生服の男子グループ4人が通路の反対側からこちらを見ている。全員イケてる雰囲気を漂わせている。


「おい、アヤネ!」


 4人のうちのひとりがこちらへ向かってくる。背の高いイケメン……いや、超イケメンだ。彼は明らかに険しい表情をしている。


「誰だよ、そいつ」


「ツバサには関係ないでしょ」


「関係ないことないだろ! オレたちなんだから!」


「お、幼馴染……!?」


 唐突なイケメン幼馴染の登場に俺はたじろぐ。


「お前、パパ活は止めとけって言っただろ!」


「ちょっと、この人に失礼でしょ! そんなんじゃないって!」


「はあ!? じゃあ誰だよ。お前、兄妹なんていないだろ!?」


「…………彼氏」

 

「は?」


「だから! 私のだってば! 私、この人と付き合ってるの!」


「はあ!?」


「ええっ――――!?!?」


 ビックリしすぎてイケメンよりも声が出てしまった。俺は慌てて口を押さえる。


「お前、オレのことは3回も振ってんのに、こんなダサい男とは付き合えるのかよ!」


「ダサくないし! そりゃ顔も身長もアンタに比べれば普通だけど、この人の隣はすごく居心地がいいもん! アンタとは全然違う!」


「…………ダッサ」


「今なんて?」


「ダサいって言ったんだよ! ダサい男と付き合うなんて、お前もになったよな!」

 

 イケメンは吐き捨てるようにそう言った。


「おい……」


 気づけば俺は彼に声をかけていた。

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