第13話 ギャルはラインでオッサンをからかいたい②
ミサキ
【バイト受かったし٩(。˃ ᵕ ˂ )و】
メッセージはもちろんミサキさんからだった。俺はすぐに返信する。
俺
【おめでとうございます】
ミサキ
【こんなに早く決まったのオッサンのおかげだぞ!】
【超感謝するし!】
俺
【チカラになれて良かったです】
【ご両親にはちゃんと相談しましたか?】
ミサキ
【もち。夜の10時までには帰ってきなさいって言われた】
俺
【それがいいと思います】
ミサキ
【さっそく明日からだし!】
【4時半から6時半】
【あーしの制服姿、見たいでしょ?】
【見に来てもいーよ】
俺
【もちろん見に行きますよ! すごく楽しみです!】
ミサキ
【オッサンの!マーク初めて見たし笑】
【これでも見て落ち着け】
【赤のT】
「うおっ!?」
送られてきたのはもちろん自撮りのショート動画。
丈の短いティーシャツを着たギャルが赤色のTバックで丸見えになったお尻を突き出している悩殺セクシーショットだ。
腰のくびれ具合は最高だし、白く透き通ったお尻にいやらしく指を這わせながら誘うような目を向けてくる。
これはもう控えめに言って――
俺
【エロい】
「……ん?」
って!? 俺は何て言葉を送信してるんだ!?
俺はただちにメッセージを削除して送り直す。
俺
【大人っぽいですね】
【けど、こんな動画送られたら、逆に落ち着けませんよ笑】
ふうー……これでよし。
それにしても、カラオケ屋で見たセクシーパンティの裏側がこんなスケベな感じになっているとは……実にけしからん!!
ピロン
お、返事が返ってきた。
ミサキ
【エロいって笑】
【心の声、漏れてんじゃん!笑】
【なんか誤魔化そうとしてて超カワイーし笑】
「ブウウウウウ――――っ!?」
俺は口に含んでいた炭酸飲料を吹き出してしまう。
どうやら一瞬だけでもメッセージを見られていたらしい。完全にやらかした。
まあ、すでにトークルームから証拠は抹消済み。これ以上イジられることはない!
俺はメッセージを打つ。
俺
【削除したので無効です】
ミサキ
【何言ってんの?】
【あーしの方には残ってるし笑】
え?
ミサキ
【オッサン、知らないの?】
【削除はね、相手の方は消えないんだよ笑】
マジかよッ!?
取り消そうにも俺のトークムールに問題の3文字は存在しない。当たり前だよな! 俺が削除したんだから!
俺
【消してください】
ミサキ
【やだ!笑】
【明日、リサたちに報告するから】
【オッサンがエロい目で見てくるって笑】
のおおおおおお――――っ!?
俺
【許してください】
ミサキ
【別にいいじゃん】
【オッサンも男なんだしさ】
【それにオッサンとのライン見せたら超盛り上がるんだよ!】
俺
【お友達に見せてるんですか!?】
ミサキ
【ダメ?】
うぐっ……ギャルの上目遣いが想像できてしまう。
まあ、ミサキさんがお友達と楽しんでくれてるならいいか。
見られて困るような内容でもなければ、けなされているワケでもなさそうだし。
俺
【別に構いませんよ。お友達と超楽しんでください!】
ミサキ
【あんがと】
【お礼にチューしてあげる】
【( ˘ ³˘)チュッ】
送られてきた白ギャル美人のキス動画に大興奮してしまうアラサーサラリーマンであった。
◆
翌日、18時前。
軽快にファミレスまでやってきた俺の足が自動ドアを通り過ぎていったん止まる。
「あれ?」
まだ日も落ちていない時間帯なのに、すでに待ち人がいる。
この店にしては珍しいと思いつつも順番待ちの用紙に名前を書こうとして、ふと店内へ目を向けた俺は異様な光景を目の当たりにする。
「えっ……ナニコレ?」
もちろん満席なのだが男しかいない。しかも高校生や大学生の若い男だらけだ。
ただ店の中が慌ただしいという感じはしない。ホールスタッフは充実していそうだし、男性客も大人しく食事をしているだけのように見える。
――彼女が現れるまでは。
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