猫水嬢魔力抑制訓練! その1
ーーチーム”水面ちゃんを救いたい”ーー
凛凪『猫水嬢、準備は?』
水面『バッチリです先輩!眠れませんでした!』
真樹『バッチリとは』
凛凪『体調も魔力制御に影響するから無理しないように。東雲さんの方も準備できてます?』
真樹『もちろん!待ってるねー』
真樹『あ、もしかしたら社長も顔出すらしい』
水面『りょーかいです!』
凛凪『了解です』
ーーーー
「というわけでリスナーの皆、こんにちはー!『黄昏の明星』、
「
「
[待ってたで]
[水面ちゃ修行編]
[目指せ世界最強の魔術師]
「はい!本日はですね、先輩であるお二方の全面協力で私の魔力制御訓練に付き合ってもらうことになりました!」
「じゃあ俺は準備してるから、企画の趣旨の説明よろしく」
「はい!えっと、まずなんでこの企画をしたのかって話ですね。これは私の魔力量が関係してるんですけど……ま、真樹さん、一回魔力開放してもいいですか?リスナーさんにどのくらいの量があるのか見せたいので」
「……えーっと、3割位でお願い。多分壁が壊れちゃうから」
「わ、分かりました」
[あっれー、プロステリータスの実験室とかってめっちゃ頑丈なんじゃなかったっけ…?]
[まあそんな多くはないだろ]
[かもーん]
「んー……んっ!」
猫水嬢が力を入れた瞬間、実験室となっている部屋の魔力濃度が一気に上昇した。
「猫水嬢!やり過ぎ!」
魔力の突風がビリビリと部屋を揺らし、配信用ドローンを壁に吹き飛ばす。
「あぶなっ!」
激突する寸前でなんとかキャッチ。
「見えてる?あれが猫水嬢の魔力…えぐいよね」
[あばばばばばばばばばばばば]
[想像の数百倍やばい]
[いやああああああああああああ]
[これ人死ぬ?]
「耐性ない人は結構危ないかも。ですがこれで3割です。前回なら即死する人出るよ」
[もう魔法使わずに魔力開放したほうが強いじゃん…]
「いや、効率悪くなる。いくら猫水嬢でも繰り返し魔力放出してたら魔力欠乏症の初期症状くらいは出るよ。それはダンジョン攻略で致命的だ」
無詠唱魔法:
「対魔力領域を使えばこの突風も無効化できる。純物質としての魔力は単純であまり効果はないんだよ」
力の奔流が弱まり、徐々に猫水嬢のもとに収束していく。
「すみません先輩!なかなか収まらなくて…」
「猫水嬢の魔力量なら仕方ないよ。まだまだ早く収められると思うからそこは訓練だね」
「先輩はどのくらい速いんですか?」
「魔力の瞬間放出量が違うから比較にならないけど、最大出力を2秒かな。」
「速…!」
「猫水嬢は3割で20秒くらいだから…まずは10秒切りを目指そう」
[やって何か効果あるの?純粋な魔力の放出はあまり効果がないって言ってたじゃん]
[全部同じじゃないですか!]
[これだからしろうとはだめだ!]
「魔力の放出と収納が速いっていうのは、それだけ魔力にメリハリがあるってこと。魔力が武器の魔法職と気配を
「水面ちゃんはその膨大な魔力の制御で手一杯なのに、速度も必要とされるとなると現時点ではとても難しい。2000ピースのジグソーパズルを1分で作れって言われるようなものだからね。そこで用意したのがこちら!」
東雲さんがフェードインして腕輪を2つカメラに映す。
「東雲謹製、小型魔力浪費装置『アイギスブレスレット』!」
[かっこよ!]
[相変わらず何でもできるんだね真樹ちゃん]
[真樹たん真樹たん(;´Д`)ハァハァ]
「こちら、水面ちゃんの溢れる魔力を吸収し、自動で魔力障壁を作り出す仕組みとなっております。障壁の発生は脳波を感知して自由に切り替えられるからね」
そう言って猫水嬢の手首に腕輪を装着する。
「さ、やってみて」
「そういって俺の後ろに隠れるのはなんでなんですかね?」
「え?爆発するかもしれないから。一応魔力耐久は最大にしてるけど、彼女の魔力を受け止めきれるか、確証持ててないし」
「おいおい…だからって後輩を盾にするのはちょっと…」
対魔力領域で俺と東雲さんを包み、衝撃に備える。
「行きます…」
猫水嬢も様子を見ながらなのか徐々に魔力を開放していく。
「障壁が展開されたね。吸収した魔力量に応じて硬度が高くなっていくんだけど…どうだろ?」
「だんだん厚みが増してる感じがします」
「うん。声も遠くなっていってる気がする。これ障壁の設定大丈夫?空気透過するようになってる?」
「あ゛」
[おいおいおいおいおいおいおい]
[なにやってるんだお前ェ!!??]
[さんそだ!さんそをもってこーーい!!!]
[言ってる場合か!?]
「猫水嬢!直ぐに魔力の放出を抑えて!息できなくなるよ!」
「――、―――!!」
「もう密閉されてる!!えっと、どうすればいいかな?!ドリル?!ハンマー?!丸ノコ?!」
「俺が壊します!抜刀神楽一式・天円一穿!」
刀で障壁を突き刺す。
「硬っ!?どんだけ硬いんだこれ…!」
全力ではないとはいえ、相当の威力が乗った突きを受けても、ヒビが入るのみ。そのヒビも猫水嬢の魔力で直ぐに修復されていく。
「すみま――!!も――りそう――!!」
ヒビが入ったことで途切れ途切れに猫水嬢の声が聞こえてくる。
もう少しで魔力を収められそうと言っているのだろうか。
「なら無理に壊さないで大丈夫かな?」
「もう少し様子を見てみよう」
[ええ、だいじょうぶなの?]
[壊せ壊せ]
[死ぬならせめてダンジョンで死んで…]
10秒ほどして、展開されていた障壁が解除された。
「な、なんとか収まりました…」
「ごめんね水面ちゃん!直ぐに設定組み直すから…!」
「はい」
猫水嬢が腕輪を外すと、直ぐに東雲さんがノートパソコンに腕輪を接続して設定をいじる。
「魔力を消費させるのに集中してて魔法の方は普通の障壁にしちゃってたよ…よし、これで大丈夫なはず。使ってみて」
「はい…!」
今度こそ、ということで猫水嬢が魔力を開放する。
「今度は大丈夫ですね!声ちゃんと聞こえてます!」
「よし、じゃあその状態でまず上級魔法を試そうか。何個か直ぐに使えそうなの送っておいたんだけど」
「術式の構築はバッチリです!」
「じゃあアイギスを使う前に膨大な魔力の弊害を皆に見せようか」
「はい。この力が良いことばかりじゃないこと、知ってほしいので!」
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