7月



  7月



 

夏以外じゃカエルは生きられない

照り返しに手を焼いて

連環の始動に惑う思い

頬に触れた氷の冷気

ボンネットの上の人影



7月の世界に突っ伏して



圧し掛かる湿気と熱気に

囚われの身を憂いてる

震えるリトラクタブル

車内で見えないフリ

斜めに駆けていく小川



7月の世界に突っ伏して



遠方に佇む江の島

音の途切れない砂浜

頭の中の静寂

断続的な爆炎 また遠く

きみとぼく ひとり



7月の世界に突っ伏して



繋がれた手を流れる星々に

叶いもしない願い事

幾万通りの語られない混沌に囲まれ

家を目指す足取り 背けた目

変わらない街灯に見たのは

道の終わり



7月の世界に突っ伏して





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