第61話
ルーク サスケ合流
ルークは自分の影にサスケが戻ってきたのを感じた。ルークは声をかける。
「サスケ、おかえり」ルークは言った。
「ただいま」サスケはいった。
サスケが影から飛び出す。
ルークはサスケに村の様子を尋ねる。
「どうだった?」ルークは言った。
サスケは伸びをすると答えた。
「花は村人の体から生えてるみたい……。そして不思議なんだけど……。花の影に入ることができないの。花が影に影響を与えているのか、ちょっとわからないんだけど。花に取りつかれている人の影には入れない。……だから結構大変だったのよ!」サスケはいった。
語尻を強調しているのは、自分が大変だったアピールかもしれない。
そしてサスケは何かを待っているかのように、ルークを見た。
サスケはお腹に手をあてて露骨にアピールする。
「あぁおなかすいたなぁ。肉が食べたい……」サスケは言った。
ルークはそこで気づいた。
「残念なお知らせだが、どうやらこのあたりで食事はとれなさそうだぞ」ルークは言った。
ルークの意見をエキドナが巻き取る。
「そうね。サスケちゃん、残念だけど。このあたりの動植物は花に感染しているらしいから食べられないそうよ。あきらめて」エキドナは言った。
サスケはハトが豆鉄砲を食らったような顔をする。ことわざのお手本のような表情だった。
「え?わたし食べちゃったよ」サスケはいった。
「「は?」」ルークとエキドナはいった。
サスケはごまかすように頭を掻きながら言う。
「ほら、なんか潜入っておなかすくじゃん。だからさ、家にあった果物とか野菜とかかじっちゃったんだよね。おいしかったよ。……でもほんのちょっとだよ。これくらい」サスケはいった。サスケは両の掌でサイズを表す。
ルークが疑いの目を向けると、サスケは両の掌のサイズを大きくした。
“コイツめちゃくちゃ人のもの食べてるな……。忍者じゃなくて泥棒だったんじゃないか……”ルークは思った。
ただし今の問題はそこじゃない。
ルークとエキドナはアイコンタクトをする。
ルークはサスケを羽交い絞めにした。
「え?何?」サスケはいった。
サスケは小動物のようにルークに不安のまなざしを向ける。
ルークは目をそらした、そしてサスケに伝える。
「サスケ、吐け。食べたものをすべて吐くんだ」ルークは言った。
「え?無理だよ。食べたものだよ?それよりルーク離して」サスケはいった。
サスケはルークから逃れようと体をよじる……。しかし、ルークの拘束は思ったより強くサスケは逃げ出すことができない。ルークはエキドナに告げる。
「エキドナ先生、お願いします」ルークは言った。
エキドナは満面の笑みを浮かべるとうなずいた。手にはゴム手袋をはめている。
エキドナはサスケの顎に手をやると、むりやり口を開いた。
※ここから先サスケはしゃべれなくなるためルークが代弁します※
「やめなさい、あなたたちヒロインに何をする気!」サスケは言った。
エキドナは笑う。ルークの目から見てもエキドナは生き生きしていた。
「サスケちゃん観念して。食べたものを吐き出さないと、あなた花になっちゃうのよ」エキドナは言った。
「ふざけるな!ボケ!ヒロインにそんな仕打ちして許されると思ってんのか!わたしの活躍を楽しみにしている人がどれほどいると思っているんだ!ルーク!」サスケは言った。
ルークは首を振った。
「サスケ済まない、きみのことは忘れない」ルークはいった。
そしてサスケの口の中へエキドナの腕が入る。
ルークは目を閉じた。
村中にサスケの断末魔が響いた……。
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