第51話
エキドナ復活
時間はカイザーがブギーマンに取り込まれたところへ戻る。
カイザーはブギーマンに取り込まれた瞬間に最後のあがきした。エキドナの残滓をブギーマンの外へと放出したのだ。
それは一種の賭けだ。
エキドナは指一本でも、髪の毛一本からでも再生できる。生命力の強さが彼女の強さだった。しかし残されていていたのはは魔力だけ。エキドナの魔力の残りカス。肉体となる依りしろが無かった。このままではエキドナの存在は塵として消えるはずだった。今までのエキドナであったならば……。
”まだ私は生きたい”エキドナは思った。
エキドナの思念が目を向けたのは、ルシファーの死体だった。羽をもがれた堕天使。ブギーマンに殺されたまま放置されていた。エキドナは今にも消えてしまいそうな意識の中、ルシファーの死体までの距離を泳ぎ始めた。
”消えたくない、まだまだ見たい。知りたい。分かりたい”エキドナは思った。
つまようじを組み合わせて橋をかけるような気の遠くなる作業のなか、エキドナは一つのことだけを考えていた。
“人間は面白い。面白すぎる、魔王を取り込んだ人間と魔王からブレイブをもらった人間。この物語を見逃せずには死ねない”エキドナは思った。
永遠にも近い時間を超えて、エキドナはルシファーの死体へとたどり着いた。
ルシファーの死体は天使性を帯びているため、腐食が進んでいなかった。エキドナはルシファーの肉体に憑依した。エキドナの思念が身体を手に入れる。
エキドナとカイザーは賭けに勝った。
エキドナは見事に復活した。
エキドナの能力値が一気に上昇する。エキドナは魔力の残滓さえ残っていれば復活するという能力を手に入れた。ゴキブリよりも強い生命力。
それに伴って多くの代償も生まれたがそれはのちに判明することになる。
そして、同時にルークが目を覚ました。
ブレイブの目覚めを感じる。
エキドナはその目覚めを感知し、ルークたちがいる宿屋へ向かった。
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