第34話

サスケ教会内


サスケは教会内の部屋の一つに潜んでいた。

どうやらここには、監視の目(小動物)も人もいないようだった。


サスケは一息つくと、首に巻きついた銀狐をおろす。

サスケは狐の目を見ながら言う。

「ねぇルーちゃん。あなたは一体何者なの?」サスケはいった。

ルシファーはかわいらしく首をひねる。わたしはなにも分からない……。そう主張しているようだった。

サスケは続ける。

「あなた、明らかに狐じゃないよね。たぶん人でもない。ルークが心配するかと思って言わなかったんだけど……。私の『影渡り』は私が仲間だと思った人としかできないはずなの。わたしは一度もあなたを仲間だと思ったことはないのよ」サスケは言った。

サスケは短刀に手をかける。“いざとなったら、首をはねよう”サスケは思った。

ただし、狐は不思議そうに首をひねるだけだった。その愛らしさにサスケはいろいろどうでもよくなった。

サスケは溜め息をつく。

“ごまかすようじゃ仕方ないね……。また今度にしよう”サスケは思った。

サスケはルシファーを再び首に巻き付けた。

そして頭をなでる。

「ルーちゃん怖い思いさせてごめんね。でもね、私の大切な人を傷つけたら絶対に許さないからね」サスケは言った

銀狐は了解したようにうなずくと、あくびをした。



サスケは今の問題に目を向ける。

“さて、ここからどうしようか……。ルークを解放するカギを探したほうがいいのか。それとも教会内を調べたほうがいいのか。どっちだろう”サスケは思った。

とりあえずカイザー様の位置を確認する。


カイザー様の視界をジャックしたところ、牢に戻されているところだった。

この分ではルークと合流するだろう、わたしの役目は鍵探しかもしれない。

突然カイザー様の視点がカイザー様の指に固定された。

“メッセージだ”サスケは思った。


カイザー様がわたしの視界ジャックに気付いた。あわてて指での暗号をなぞる。

指文字を解読するとすぐにサスケは行動に移った。指示の内容は、“樽を探せ”だった。

樽とはきっとプラダの馬車に積まれていた樽のことだろう。

凶悪な魔物が封印された樽。


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