第26話

ルーク街中


「こら!サスケ。食べ歩きをしない!」ルークはいった。

「お前は私のおかあさんか!」サスケはいった。

「そうだ!」ルークは言った。

「ちがうだろ!」サスケはいった。


二人は街中を物色していた。ルークはいくらかをカイザーからもらっていたが、ほとんどの金はサスケの胃袋の中に消えていった。

“はーまた稼がなくちゃなぁ”ルークは思った。“カイザーさんの無尽蔵な経済力は一体何なんだろう“ルークは思った。

いつも思うが金銭感覚が庶民のそれではない。やはり特別な王族の出身なのだろうか……。


「あ、ルーク。綿菓子あるよ、綿菓子。あれも食べよう」サスケは言った。

ルークは走りだそうとするサスケの首根っこを掴む。

周り車を走るハムスターのように、サスケの足は空転する。

「何をするんだよ」サスケはいった。

「おまえ綿菓子さっきも食べただろ。俺の分まで食べた」ルークは言った。

「なにさ、けち臭い。ルーク全然食わないから、いらないのかと思ってわたしが食べてあげたんだよ」サスケはいった。

「おれが綿菓子を持っていた時間は2秒にも満たなかった」ルークはいった。


ルークたち二人はなんだかんだ街を満喫していた。

そこへ、どこからか悲鳴が届く。

「おい!泥棒だ。誰かそいつを捕まえてくれ」店主が叫ぶ。

ルークが振り向くのと、サスケが飛び出すのは同時だった。

ルークはサスケの首根っこを捕まえようとする。しかし、遅かった。

「まてまてドロボー!私の目の黒いうちは不届きはゆるさない」サスケは言った。


サスケは人々の間を縫うように走った。ルークはサスケのスピードに追い付けない。

“こういう時は回り道だな”ルークは大通りを走るのをやめて、路地裏を走る。


サスケもルークの動きに気付いていた。前を行く小さな影をルークのいる方へ追い込み始める。

“この獣。素早い……”サスケは思った。


前に行くのはキツネだった。一匹の白いキツネ、口にウナギを咥えている。どういう事情があるのかはわからない。だが、盗みはよくない。サスケは視界をジャックして、道の先を確認する。ルークの視界も盗み見て、ルークの位置も確認した。

“よし、いける”サスケは思った。

スピードを上げてキツネに飛びつく。キツネはうまくサスケを回避して、飛び上がる。

キツネは勝ちほこったように鳴いた。


うまく受け身をとったサスケがにやりと笑う。

キツネが再び前を向くと、そこにはルークがいた。

ルークはキツネを捕まえる。

「ご愁傷様」ルークは言った。


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