第3話指定校推薦
今日のその時は、1998年11月27日です。
トリスは、地元の鹿児島大学を受験するために勉強していた。
鹿児島県内で就職するなら、鹿大卒か有利だからだ。
センター試験が主流であり、それに向けた模試も受けていた。
しかし、ある晩自宅に1本の電話が。
担任からだった。
大東文化大学の指定校推薦を受けてみないか?と。
学部は、法学部法律学科。
大東大と言えば、箱根駅伝の大学だ。
トリスは悩んだ。
私立大学は家の経済力では無理だろうと。
しかし、警察官と高校教師のどちらかを目指していたので法学部は有利。
当時の大東大の法学部の偏差値はまあまあだった。
トリスはよくよく考えて、両親と相談した。
そして、男は一度故郷を離れた方が良い、と言う結果に至り、大東大の指定校推薦を受けいれた。
その年の11月。
板橋のキャンパスへ、受験に行った。国語、英語、小論文、面接だった。
面接官がイヤミなやつで、散々田舎モンである事を馬鹿にされた。
トリスは頭にきて、担任に指定校推薦を辞退すると申し出た。
しかし、担任の必死の説得により辞退を引っ込めた。
でも、指定校推薦でも落っこちるヤツがいる。
そこで、今回のその時がやってきます。
1998年11月27日、大学から手紙が。
文面には、合格と判定する。と書いてあった。
それから、4ヶ月後には鹿児島を離れた。
しかし、運命は薄情だ。
母がガンになり、トリスは大学中退を余儀なくされた。
泣く泣く中退して、働き始めた。
だが、1年間の大学生活は良い経験になった。
トリスは言う。
「勉強は、大学だけではない。場所を選ばない。読みの深いヤツは人生に成功する」と。
次回のその時は、また、若い頃の決断になる。
その時、トリスは動いた 羽弦トリス @September-0919
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