第6話 いとちゃんの思い出(2)
いとちゃんから誕生日プレゼントでトランポリンをお願いされたお母さんは、その日の晩にお父さんと相談しました。お父さんが
「ただいま〜」
と帰ってくると、
「おかえり。いとちゃんが誕生日のプレゼントにトランポリンが欲しいらしいの」
と、すぐに本題を切り出しました。お母さんは子供達の誕生日プレゼントを当日までに間に合わせたいので、のんびり屋のお父さんにハキハキした口調で伝えました。お父さんは「う〜ん」とボンヤリ答えながら、88森で集めてきたダンゴムシを鞄から取り出しました。流水でさっと洗うとふきんで水気を拭いて、フライパンで炒め始めました。お父さんが台所で晩御飯のおかずを作り始めたので、お母さんはお風呂場に行って浴槽を掃除してお湯をため始めました。これで、ご飯を食べた後に、すぐお風呂へ入れます。
晩御飯はいとちゃん、妹のみずちゃん、お母さん、お父さんの4人で食卓を囲みました。
「スプーンがない」
といとちゃんが言うので、お母さんは
「引き出しから自分で出しなさい」
と伝えました。もうすぐ誕生日を迎えてお姉さんになるので、なるべく自分のことは自分で出来るように育てているのです。みずちゃんが
「のみもの〜」
と言うと、冷蔵庫から落ち葉を煮出したお茶を出して、コップに注いであげました。お父さんが作ってくれたダンゴムシの炒め物は、カリッと香ばしくて、みんな美味しそうにモリモリ食べています。
「いとちゃんのトランポリンのことだけど」
お母さんがお父さんに聞きました。ご飯を食べ終わって、少しのお酒を飲んでいたお父さんは
「作ってみようか」
と答えました。それを聞いたいとちゃんは
「作れるの?私も一緒に作りたい!」
と興味津々で話に入ってきました。
〜つづく〜
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