第9話 枕元から聞こえてくるお経の声

 私が高校生の頃のことです。


 私がその高校へ行きはじめて少しした頃、恐ろしい体験を何度もしました。


 私は、いつものように金縛りになります。そして、金縛りが深まると、お経を読む男性の声が枕元から聞こえてきます。


 お坊さんが読むお経みたいでした。

 金縛りになって、誰もいないはずの枕元からお経が聞こえてくることが、高校生の頃に何度もあり、そのたびに怖かったのを覚えています。


 しばらくして、高校を卒業した時、私の友人も「高校生の頃、枕元からお経が聞こえていた!」と、同じ体験を話してくれました。


 友人からその話を聞いた時、ひょっとしたら、高校があるその土地に何かあるのかもしれないと感じました。


 私の行っていた高校の隅は山のようになっていて、山の少し上が洞窟のようになっていました。

 実に不思議な光景で、私は洞窟へ入ってみたいとずっと思っていました。


 ですが、洞窟へ入ってゆくのは男子ばかりで、女子の私が洞窟へ入るのは、何だか恥ずかしい感じがして、入ってゆきませんでした。


 それから、高校の隣にはお寺があり、その近くにそれぞれ神社と別のお寺が1つずつありました。

 つまり、高校の近くに神社が1つ、お寺が2つあったのです。


 枕元からお経が聞こえてきたのは、洞窟に関係があるのか、お坊さんの霊なのか分かりません。


 ですが、金縛りになって動けなくなり、男性の声でお経が聞こえてきて、とても怖かったのを、今でも覚えています。


 高校を卒業した後、お経が聞こえてくることはなくなりました。

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