第14話 ちょっと本気でパーティー編成を見直したい


オーダルティアを出発して、5日が経過した。

俺達パーティー5人は今、何故か海にいる。


この世界でも水着ってあるんだなぁと、海ではしゃぐパーティメンバー達を見ながら、ぼーっとしていた。


こいつらは緊張感ってものがない。



『何をジロジロ見ておるのじゃ?』



うざいやつが絡んできた。



「お前ら、緊張感なさすぎじゃないか?あと、なんで海入ってるんだよ」



メンバー全員から、何故海に入っちゃいけなんだ?的な顔をされた。


こいつら全員頭がバカなのか。

そうだ、バカなんだこいつらは。

大きなため息がでた。



『アキ様、あちらに大きなスイカありますよ』



異世界の海でスイカ割りなんてあるのか?

などと考える暇もなく、問答無用でフィリアからぐいぐいと引っ張られ、連れていかれた。



「あ、あの。マリオールさん、何をしているのかな?」




砂浜に埋められたマリオールが顔と乳だけを出して埋まっている。


こいつら絶対バカだ。

全員が爆笑しているが、マリオールは何故か頬を赤く染めている。

お前、Mなのか!

何を期待して待ってるんだ。


俺は呆れて、先ほど座っていた砂浜に戻った。

マリオールがこちらをちらちら見て、何かを待っている顔をしていたが、ガン無視した。


だが、俺には休息はない。



『聖帝様ーー!』



ラキが背中に飛びついてきた。

うざい。



『なぁー、この前の続きやろうぜー』



ほんとにうざいし、エロいので、ラキのしっぽを掴み、海に放り込んだ。



『ひゃぃぃぃぃぃ・・・・・』



そういえば、こいつら一体何歳なんだ。

種族が違うということは、寿命も違うのか。



「なぁ、ティム。お前らってなんさ・・・」



ティムからとてつもないオーラを感じたので、聞くのをやめた。


だが、異世界とはいえ俺が他人と接点を持つとはね。

これもばあちゃんのおかげなのかもしれない。


ばあちゃんも、この世界で生きてたんだな。


その時、ちょっと大きな波が起きた。


定番ともいえる、メンバーの胸の部分だけの水着が流されていった。


そして、恥じることなくそのままの格好で俺に詰め寄り、誘惑を始めた。

あ、ティムだけ遠慮している。


俺はつい吹き出してしまった。


ティムは何故俺が笑ったのかを気づいたようで、本気で殴ってきた。


結局、この日は海で遊んだだけになった。

だが、メンバーのことをよく知る機会になったと感じた。



うん、こいつらダメだ。



ばあちゃん、俺、本気でパーティーメンバー見直すか考えてみるよ。



第14話 完 

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