第10話 ちょっと本気で空を飛んでみたいと思った
先日の入浴イベントは良かった。
まさか、たわわを超える、とわわを体験できるなんて。
さて、今日も特に依頼はない。
本当にこのままで大丈夫なのか。
時間がもったいないので、今日も魔法を研究することにした。
今日は男子なら誰もが憧れる飛行魔法だ。
隣にはロリッ子のティムがいる。
俺の魔法研究に興味があるようだ。
『お主、今日は何をするのじゃ?』
その典型的な異世界しゃべりやめてくれ。
「今日は飛行魔法を研究しようと思う」
ティムはふんふんと目を輝かせている。
まぁ、うまくいくか分からないが。
何度も言うが、俺は毎回マイペースだ。
自分のペースとはどれくらいのものか他人と比較したことがない。
俺は一般的なペースを知らない。
さて、飛行魔法のイメージだ。
この世界にも重力がある。
俺が感じる限り、俺のいた世界と変わらない。
あえて言えば、少し軽いくらいだ。
重力を操り、それを反転させることができれば飛べるはずだ。
これは科学者でもある俺でさえ、かなり難易度が高い。
重力コントロールをイメージすることができるのだろうか。
俺のいた世界での地球を当てはめて考えてみよう。
万有引力と自転による遠心力だ。
また重力の大きさは一定(ごく微小だが)ではない。
緯度も関係する。
この世界の物理学が分からないと計算は厳しいだろう。
先ず、俺は全身に魔力を纏わせた。
ここからは物理学を駆使したイメージだ。
現代物理学では不可能とされた反重力をイメージするためには、一般相対性理論の歪みを無視するんだ。
斥力として作用する重力場を作る。
それを全身に纏うのだ。
イメージ、イメージ・・・・。
その時、ふわった身体が浮いた。
やったぞ、成功だ!
反重力のイメージはかなり難しいものだった。
だが、一度イメージが出来れば、次からは簡単に生成することができた。
ティムも、なんじゃそれ!どうやったのじゃ!と騒がしい。
この魔法は、この世界の人間に説明するのは難しいだろう。
なんせ、典型的な中世設定の世界だ。
車もないため、移動は馬車だし。
ちょっと飛んでくるといって、俺は高く飛んでみた。
高いところから見下ろす街並みが綺麗だ。
高く飛んだことで気づいたのだが、東の方角に別の街が見えた。
オーダルティア国内なのだろうか。
気になったので、ちょっと見てくることにした。
飛行魔法はいい。
全身に纏う魔力の量をコントールすることで速度が変わる。
また、飛んでしまえば風魔法に変えて、航空力学の知識、つまり空気抵抗を使えば自由に方向転換が可能だった。
因みに地上と同じマッハ4程の速さで飛べた。
もちろん飛行ポーズは、べジー〇様風に腕を組んだ。
空気の熱で全身が赤く光っていたのを、後からティムに聞いた。
先ほど見つけた街の上空に来た。
俺は、人目に付かない場所に着地した。
『ひゃいいいい』
ちょうど目の前に女がいたようで、驚かせてしまった。
可愛い声をだす。
良き。
『てめぇ、何すんだよ!』
は?
最初の口調と違うじゃないか。
口が悪いな、こいつ。
お、こいつ
初めて見る。
「わりぃ、驚かせてしまったな」
『まったく・・どこ触ってるんだよ』
「いや、全く触ってないが・・・」
なんか、照れてるぞ、こいつ。
『そ、そんなところ、触るとかさ・・・お前・・・責任取れよ』
え?
今日は飛行魔法の回のはずが、二人目の求婚だった。
ばあちゃん、人は空も飛べるけど、着地に気を付ける必要があるみたいだ。
第10話 完
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