第8話 もう少し本気で魔法を習得してみた


ここは異世界。

魔法が使える夢の世界だ。

ならば探求するしかない。

魔法を。


まず、この世界の魔法の基礎はこうだ。

火、水、土、風の4属性。


雷や氷、光や闇といった概念はないらしい。


これは勿体ない。

多分、これは日本人の転移者や転生者ならだれでも出来るはずだ。

いや、思い付くだろう。


まず、氷について。

水の温度を0度以下にするイメージを作る。

水の分子が0度以下になれば、結合するからだ。

結合したのが氷だ。

魔法はイメージ。


案の定、簡単に氷魔法を習得した。


次は雷だ。

科学者である俺が雷をイメージすることは容易だ。

要は積乱雲から放たれる雷、そう電荷の移動をイメージすればよいだけだ。


よって、温度調整も必要だ。

つまり氷魔法を覚えておいて正解だった。


まず、両手を上下に構え、両手の真ん中にバスケットボールが1つ入るくらいの空間を作る。

そこに、段階型前駆放電ステップトリーダーをイメージ。


両手で作った空間にバチバチといった音が聞こえる。


よし、次は+極を目標物にセットするイメージで、帰還雷撃リターンストロークを・・・作る!



バチバチバチぃいいと激しい音がした。


以前、剣の実験で使った岩が焼けこげ、炭のようになった。

かなりの高威力だ。


さらには、雷魔法を放った後も電荷を中和させなければ、矢形前駆放電ダートリーダーが起こり、再度、帰還雷撃リターンストロークが起こるため、雷魔法をあまり魔力を消費することなく、連撃することが出来た。

コスパが良い。


この魔法は、この異世界ではかなりの高位魔法だろう。


あの技が再現できるなと想像したら、俺はにやけてしまった。



最後に光と闇だ。

これは、どの異世界ものラノベでも詳しく書かれていない。

概念、事象というより、俺は理のように感じる。


なら、この世界の理として、俺が作るしかない。


最初は光だ。

俺は浄化の光をイメージした。

つまり、太陽。

そう熱だ。

俺の居た世界の物質は、だいたい4000度もあれば融解してしまう。

この世界も変わらないだろうが、オリハルコンなんて俺の世界にない物質があると話は変わる。


ならば、本当に太陽となろう。

太陽の表面温度は約6000度。

これを天から降り注ぐイメージをする。

虫眼鏡で太陽光を集中させる感じと似ている。


魔法はイメージ、魔法はイメージと集中力を高めた。


目の前の大きな木に向かって、俺はそのイメージを放ってみた。

天からではなく、地面から空へ光が伸びていった。


的にしていた木は、完全に消滅していた。


成功だ。

全ての存在を無視した魔法、新たなる理、それが光魔法だ。

まさにチート。



次は闇魔法だ。

だが、これは全くイメージできなかった。


今度、じっくり研究しよう。


ちなみに、回復魔法は習得できた。

これは割と簡単で、回復したい相手の生命エネルギーの波長と自分の生命エネルギーの波長を同期させ、こちらの魔力を流し込むことだった。


生命エネルギー感知が卓越すると、複数人同時回復も出来ると聞いた。

つまり複数人と波長を同期させるということだ。

聞いてるだけだと難しく感じるが、多分の相手の心臓の鼓動に合わせればいいだろうと想像したら、正解だった。



ばあちゃん、魔法って面白いな。



第8話 完

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