第6話 はじまり

行動を共にすると言っても、今日は依頼はまだ無い。これからやることもないから、少し彼女に質問してみる。

「リンクの方法ってどうするんすか?」

「この指輪がもう一個有って、それ使って脳内のうないチップを共有するらしい。詳しくはまた今度ね」 


現在、脳内チップというものを個人情報等の管理のためほとんどの人間が使っている。これを様々な機械製品と組み合わせる事で、生活品質を上げる。という製品が増えている。


事実じじつ、俺の飛行スーツもこの脳内チップとの連携で操作している。恐らくだがユキナの機械の体もそれと同じだろう。これのお陰で人間は多くのものを手足のように動かせるようになっていった。これを利用して、しようという事だ。


「だから別に、しようと思えばいつでもリンクできるんだ。あぁ、でも一度してしまったら解除できないから、気安くはできないんだよね。

……だからこそこんなに悩んでるんだけど」


「付き纏うといっても、どうするんです?」

「ん?何も決めてない」

真面目なのか不真面目なのか分からない。プランもなしに俺に会いに来るその行動力は良い所ではあるのかな。

「でも今日は何も予定無いですし、やることないですよ」

「うーん、まあいいんじゃない?今日は一緒に飲んで話せば」

「そうですね」


今日はユキナと話しながら、夜まで過ごした。彼女は一通ひととおり話をした後に、ふらっと帰って行ってしまった。


きっと今日話してくれたことは本音なんだろうが、何処どこつかどころが無い感じがした。酔ってる様子も無かったし、それでいて嘘をついている様子もなかった。年齢よりも大人びた所作がそうさせるんだろうか。


あの大人な雰囲気は俺には出せないが、彼女はどこか俺と同じ様なを感じる女性だった。出生が同じ様な状況というのもあるのかな。




……正直、今日話されたことに対して、俺自身、 どう思っているのかが分からない。誰かと行動を共にし、的な存在と過ごすという状況が想像できない。任務も一人でこなしてきたし、自分勝手なことをして相手に迷惑を掛けそうだと思ってしまう。


まあ一応彼女も俺に対し依頼として会いに来ているらしいし、あの人と居ても嫌な気がしないから、特にけることもなく居ようと思う。 

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