挙兵
「嘘でしょ!?」
血走が突然叫ぶ。
「びっくりした…なんですか血走さん」
「えーと…悪い知らせ、かなり悪い知らせ、この世のものとは思えない知らせ、どれから聞きたい?」
「勘弁してくれませんか?…じゃあ、より悪くない方から順番にお願いします」
「[白虎十字軍]が侵攻を始めた」
「既に嫌な予感しかしない…じゃ次は?」
「昨今の、刃血鬼連続爆死事件の原因となる組織[爆賛會]と[白虎十字軍]が手を組んだ」
系糸の顔は既に歪みつつある。
「…最後は?」
「団長たちが鬼神府に幽閉された。[四柱]最強の一角を倒さないと解放できない」
「[四柱]…?なんですかそれ」
「炎、雷、水、草を操る四人のチート達で構成されてる盟団だよ。特に統率者がいるわけでもない四天王みたいな感じ」
「で、その最強を倒さないと?」
「団長が解放できない。てか、それより目の前のことを考えないとやばいよ。同盟の内訳がマジで終わってる」
「訳わかんないよもう…」
今にも泣きそうな声で呟き、系糸はその場にしゃがみ込んだ。
「[調査隊]曰く、あの同盟は自分たちをこう名乗ってるらしい。[
「[死生朱雀]…それが、今迫ってきてると」
「そーゆーこと。あーあと」
思い出したように血走は言い出した。
「団長は鬼神府会議に行ったじゃん?他の区の有力者が集まってるんだけど、まぁ当然他の人達も捕まっちゃってるんだよね」
「…それがどうかしましたか?」
「外部との通信は出来るっぽくてさ、連絡して、今続々とこの近辺に集合してるんだ」
血走は不敵な笑みを浮かべた。
「盟団とか、チート野郎とか相手じゃないと使えない、罪狩り達の奥の手だよ…面白そうだね…!」
———
〈
「はァい。最強サマから指名も貰ったし、出撃といこうかしら」
ゴスロリを着た色気のある女性——眩奈が、モデルウォークしながら通話する。
「というわけで血走ちゃん?最強サマから総指揮に任命されたのだけれど、正直私どうでもいいのよね。よかったら貰ってくれない?」
〈寧ろ欲しいんだけど、その場合眩奈さんは何するの?〉
「私は[四柱]を叩くわ。
〈眩奈さんでも互角…?最強とかどうなるのさ、勘弁してよ団長…〉
「あまり気を落とさないで、血走ちゃん。私は死なない。生きて戻ってあなたと、そして新入りちゃんと共に、私は奴を倒すわ」
通話を切り、眩奈は駆け出した。
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