第25話 勝利確率の推理

サイコロを3回振った目の合計を当てるギャンブルは確率の賭博だ。俺ならわけもない。


俺は推理する••••


ゾロ目を気にしなければ3つのサイコロを振って10か11が出る確率が1番高く、その確率は1/8だ。

それで11倍の還元があるのなら超お買い得と言えよう。


しかし、3回目の1/6のゾロ目で必ず負けるので実際の確率は下がり、おそらく1/10程度に下がる。

だが11倍の収入が手に入るのであれば、最初に賭けるならこれを選ばない理由はない。


人が選んだ数字は選べないので、有利な数字は先に張っておくべきだろう。

また、2回目、3回目のサイコロでゾロ目が出た時にはゲームが終わるので、最低でも1回目のサイ後には賭けておくべきだ。


では1回目のサイが振られた後に賭ける場合はどうだろう?


残り2個の賽の目合計で、1番出現率が高いのは7である。だから1回目に出た数字に7を足した数字に賭けるのが確率的に1番高い事になり、確率はなんと1/6だ。


2回目のサイコロのゾロ目はチャラか、もしくは臨時収入になるので気にしなくて良い。

そして、3回目のサイのゾロ目も気にする必要はない。7が出る場合ゾロ目はないからだ。


そして8や6が出る確率は通常で14%ほど、ゾロ目の可能性もあるので11%ほどに下がるが、約1/9で当たることになるのでこれも狙いだ。


効率的には1回目の数字を見てから賭けるのが最高の効率という事になる。


2回目の数字を見てから賭けるのも同じく1/6の確率だが、先に2回目のサイの目でゾロ目が出た場合は賭ける間もなく30オデ持っていかれるので、避けた方が良いだろう。


だから1回目のサイの目が出た後に賭ける奴が多いだろうと予想できる。


ただし、そうなると間違いなく皆が同じ数字を狙ってくる。金を積み上げ合戦になる。

そこでは金のない奴は勝てない。


しかも、先に取りたい数字が押さえられていたら狙った数字はいくら金があっても取れない事になる。


そして、このゲームは店が儲かるように出来ているはずだ。

1/6で店が総取りできるってのがポイントだろう。


例えば全員が100(総額1000)賭けるとする。

勝ちが出た場合、店が1100を払い900回収する。200の損失が出る。

5/6がそうであれば5回で1000の損失という事になる。

次の1回で1000まるまる回収してチャラ。

一見かなり公平なギャンブルに思える。

いや、当たりそうな数字には最高額が賭けられるので客の方が有利だろう。通常なら店は損失が生じてしまう。


と言う事は、インチキがあると言う事だ。

こう言う店では店がサイコロに仕掛けをしているのが普通だ。

掛金が少ない所に値を誘導したり、

1/6の総取りの確率を意図的に増やして必ず店は儲かるようにしているのだろう。


とはいえ俺は勝つ。最初から10か11を取りにいく。それで早めに勝って儲けすぎないでやめる。これだ!


ーーーーーーーーー


「•••••」


10-11を最初に取るなんて、そんな事皆わかっていた。


皆最高ベット額100オデを賭けようとするものだからジャンケンで取り合いが起こった。

俺は100オデ出すと次がないので諦める。


ちなみに9や12では完全に確率負けするので、最初にベットする意味は薄い。


最初のサイコロが振られる。数字は5だ。

7を足した12は100オデでジャンケンの末決着がついた。これには俺も参加したが、8名でのジャンケンなのでこの時点で負けた。


11は先に押さえられているので、13が次の狙いとなるが、13ももちろん100オデでジャンケンの末に押さえられた。


14を取るかどうかだが、今何も賭けなければ賭けなければ1/6の確率で30オデ持ってかれるのだ。

俺は最低ベット金の30オデ賭けようとするが結局80オデで落札された。

15も取れず結局16に50オデ賭けることになった。


失敗だった。手持ちが50になると取り合いで必ず負ける。そう。このゲームは最低100オデ持っていないと参加してはいけないゲームだったのだ!


なんてこった。やめたくても10回ゲーム単位でしか辞められない縛りだった。

10回くらいするだろうとタカを括っていたが、気づいてみれば結局負け続け、即すっからかんなのに、ゲームには参加。


2回も店の総取りが発生してマイナス60オデになっちまったよ!


店を出る時に払わなければどんな目に遭うか。


仕方がない。俺は金を借りるため緑色の皮膚の小男ウラドを探す事にした。


しかし、会場に緑色の皮膚の小男は10人以上いる。確か茶色い汚いパンツを履いていたな。

茶色い汚いパンツを履いた緑の小男になると絞られるが3人いた。一人一人声を掛けてみるがどうやら全員ウラドとは違う様だ。

そういや、奴は肩掛けカバンを持っていたな。



「うわ〜〜〜〜!!」

その時、会場の奥の方で男の叫び声が聞こえた。



ーーーーーーー

※作者です。

お気づきだとは思いますが、この探偵はヘボ探偵ですw

出くわす事件、出くわす事件をたまたま解決に導けただけの強運(いや凶運ですね)の持ち主だっただけです。

ヘボ探偵の確率計算は当てになりません。間違いはご了承ください。

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