第12話 性槍?グングンヌク
女聖職者の使いというものから女の顔が刻印された小さな金貨1枚が届けられた。
「金貨1枚とかシケてるな。おい。
本当にこれで娼婦は買えるんだろうな?」
「早く行くぜぇ!相棒。女が俺を待っている!」
うざいこの聖槍を持って俺は、街壁の外にある小汚い路地の娼館街にやって来た。
この国では表立っては売春は認められていないんだとよ。
だが街壁の外であれば、役人も目を瞑ってくれるって事で街壁の外にあるこの汚い通りの娼館街も夜は大賑わいしている。
「旦那!!良い子揃ってますぜ。遊んで行ってくんなせぇ!」
呼び込みの声が至る所からかかるが、こんな薄汚いところだ。普通の店の女は大した事がないに決まっている。
俺は1番の上玉娼婦しか興味はねぇんだよ。
この通りの奥にボーラと言う高級娼館があると聞いていたので、俺は呼び込み達の声を無視してそのボーラに飛び込んだ。
「いらっしゃいませ。お客様こちらでご希望のコースを承ります。」
「コースってなんだ??女を抱きたいんだが?」
「俺に女を貫かせろ〜〜!」
「ここはこの都でも最高の女性を揃えておりますよ。
女性と良いことしたいだけなら梅コース。
3人の女性とお食事と芸妓遊びをした上で1人を選んで良い事したいなら竹コース。
3人全員と良い事したいなら松コースです。」
「もちろん松コースだろ!松で頼む!」
「ありがとうございます!松コースは金貨5枚いただきます♡」
全く足りねえ!!!!
「いや、女は選んだ方が良いだろな!!
今日だけで楽しみ過ぎるのはよくないぜ!
竹コースにしてくれ!!!」
「えっ。あっ、そうですよね〜。3人もお相手なんてそんな夜の勇者はなかなかおりませんから。竹コースは金貨2枚になります。」
高けぇよ!
「ちなみに梅コースはいくらなんだ?」
「梅コースは金貨1枚になります」
「そういや、俺は酒が飲めないんだったぜ!(嘘だが)
やっぱり梅コースにしてくれ!!」
「梅コースですか??いえ、わかりました。では金貨一枚頂戴します」
ギリギリじゃねえかよ!この国は勇者舐めてんのか!?
俺は高級娼婦が待つ部屋に入る。
そこには頭に銀のティアラ、首元には胸元まで伸びる銀のネックレスを付けた黒いロング髪の美女がベッドに寝そべっていた。
「良い女じゃねぇか!!」
「ウヒョ〜!!俺様好みだぜぇ〜!!早速良い事しようぜえ〜!!」
手に持つ槍が勢い良く女に向けて動き出す。
だが、俺はその手を握りしめ離さなかった。
こうなる事は予想できたからだ。
こいつが女に何をしようとしているのかわからねぇが、もし刺し殺したりしたら俺は死刑になっちまう。ここは大人しくしていてもらうか。
「お前、槍のくせに何するつもりだ」
「何って女を貫くに決まってるだろ。相棒。手を離せよ。
なんだ?お前の粗末な棒と比べられたら嫌なのか?」
「なんだと!?粗末な棒だと!!へし折ってやろうかこの野郎!!」
「折れるのはお前の粗末な棒だぜ。聖槍のグングンヌク様を舐めるなよ!」
「お客さん。店で槍を振り回すのはおやめいただけますか?そのようなプレイはお断りしておりますので」
「ほらな!!お前が女に何を突っ込もうとしてるのか知らねぇが、そんなプレイは俺はしたくないんだよ!!」
俺は扉を開けてグングンヌクを放り出し扉を閉めた。
「槍の癖に、俺の買った女に手を出そうなんぞ不貞野郎だぜ。
これで邪魔者は消えた。俺がたっぷり可愛がってやるぜ!!」
「きゃーー!!!」
俺が女に飛びかかろうと服を脱ぎパンツに手をかけた時、扉の向こうから女の叫び声が聞こえた。
「!!?奴がなんかやったのか!?」
俺は慌てて部屋を出で受付にやって来くると、そこには服を切り刻まれた受付の女が怯えた表情で壁にもたれかかっているのが見えた。
女の前では槍が宙を舞っている。
「辞めて、、。殺さないで」
「ウヒョ〜〜。良い肌してるじゃねえか〜。
俺様と良い事しようぜぇ。
下着もいらないから切っちゃおうかな!!」
女の服だけを切り捨てていくその聖槍のテクニックは抜群で、あれよあれよと言う間に受付の女は裸になっていく。
「おい!!やめろ!!それ以上やると捕まるぞ!!」
「嫌なこった!!もうお前なんて相棒じゃねえ!!女を独り占めするような奴とは俺は組まないのさ!!」
「まて、わかった。今は金がねぇ。金が手に入ったら次はお前に譲ってやるから、落ち着け」
「次っていつだ!そんなに待てるかよ!!俺は好きにさせてもらうぜ!」
聖槍はそういうと、ものすごいスピードで店の入り口のドアを突き破りどこかに行ってしまった。
「お、お客様、なんなんですか!?あの槍は!?
あの狂った喋る槍はお客様の魔法槍ですよね? この服とドアを弁償してください」
「俺がやったんじゃねえだろ!?知るかよ!あいつは赤の他人だ!!」
そう言い訳すると、店の奥から黒服のお兄さんが2人現れた。
「おいお前!どうしてくれるんだ!!
こんな事してタダで済むと思ってんのか!?こらァ〜〜!!もちろん弁償するんだよな!!!」
ーーーーーーー
俺はこの国の兵士に捕まった。
俺が傷害及びレイプ事件の犯人だそうだ。
グングンヌクがやった事は俺がやった事になるらしい。
あの後、どうやらあの聖槍はこの都で女をレイプしまくっていると聞く。
恐ろしい槍だ。何が聖槍だ。狂ってるだけじゃねえか。
聖槍はまだ確保されていない。
捕まえようとすれば斬りつけられ、動きも素早いので捕まえるのは至難の業らしい。
俺はその持ち主として牢屋にぶち込まれている。この国ではレイプは懲役30年以上と厳しいらしく、俺の人生はもう終わりだ。
ーーーーーーーー
1ヶ月ほどたったある日、俺は牢屋から城の広間に引きずり出された。
目の前にはあの女聖職者がいる。
「お久しぶりです勇者様。今日はあなた様にお願いがあってここに来てもらっています」
「なんだ。お願いとは」
「連続レイプ事件を起こしているあなたの持って来た変態槍ですが、この国の民が本当に迷惑しています。
ですがその力は本物のようです。
多くの武術の達人が奴を討ち取ろうと挑みましたが、あの変態槍に勝てるものはこの国には誰1人とおりませんでした。
本当に困っていたのですが、昨日、その変態槍が相棒の言う事なら聞いてやると言い出したのです。
変態槍を説得して、一緒にこの国から出ていって欲しいのです。
で、
そのついでに魔王討伐をお願いできますでしょうか?」
「ついで??」
「はい。そのついででいいので魔王を倒してください。
女神様の御神託通りにお願い致します。
もちろんただとは申しません。打ち倒した時は褒賞として金貨100枚お渡ししますよ」
「あいつは俺の事はもう相棒じゃねえって言ってたんだけどな。
魔王•••?そんな話もあったな。牢屋から出してくれるならなんでもするぜ•••」
「では、早速、ある娼館を占拠している変態槍の所に行って説得してくださいませ」
ーーーーーーーーー
「相棒〜〜久しぶりじゃねぇか。会いたかったぜぇ。さあ俺も散々抜いたしパワー満タンだぁ。魔王討伐にでも行こうぜぇ!」
連続レイプ犯のくせして偉らそうだな。お前のせいで俺は牢屋生活だってのに。
まあいい。牢屋から出られるならコイツとも仲良くやっていくしかねぇ。
「そうか。じゃあ一緒に魔王討伐にいくか」
「なんだ相棒。元気がねえじゃあねえか!!ちゃんと抜いてるのか!?ハハハッ」
このクソ槍が!!!!!!
ーーーーーーー
※作者です。
この転生者、意外と面白いキャラになってるのですぐ天国に送るのはやめて、ちょっとだけ長めに書いています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます