第6話

「安いよ!安いよ!なんと今なら120ラロック」


「ほら姉ちゃん!これ見てみな!綺麗でしょ!大きい旦那に買ってもらいな!」


「この串焼き出来立てだよ!」





「今日の夕飯なににしますか?」


「なんでも」


「もーーーまたなんでもって、何でもが一番困るんですからね」


「だってまひるさんの飯何でもうまいんだもん」


「またそんなこと言って。適当なんだから」


「全部マジやけどねえ」


「はいはい」

 

ーーーーーー


「ほらやっぱり美味しい、この炒め物やばいね。米死ぬほどいけるわ」


「少ししょっぱくないですか?」


「うーん、、俺は好きだけどな米にあって何杯でもいけちゃうのがやばいな」


「ふふふ、いっぱい食べてください。たくさん作りましたから」


「いや、毎日腹パンパンに食ってるよ、ほんといつかはちきれるわ」



「美味かったあ。ご馳走様!」


「はーい、お風呂入れますよ」


「いいねえ、あれ入れていい??なんか温泉の素みたいなやつ」


「あれ?もうなかったんじゃないですか?」


「あーまじか。明日買ってこよ」


「あ、そしたらついでに石鹸もお願いしてもいいですか?」


「勿論!!明後日仕事終わったら飯食いに行こう」


「あ、いいですね!なに食べましょうか?」


「あ、もう店決まってる」


「どこですか??」


「秘密」


「えーーー、なんですかなんですか。教えてください」


「だめ、内緒。楽しみにしてて」


「わかりましたあ。シュテンさんは秘密ばっかりなんですから」


「え?俺隠し事なんて一個もしてないし」


「そうですかあ??シュテンさんは肝心なことなんもいってくれないですよ」


「例えば何よ」


「もういっぱいありますよ」


「聞こうじゃないか」


「まずシュテンさんは何者なんですか、どこからきたんですか」


「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」


「ほら言えないじゃないですか!!そんなに私は信用出来ないんですか!!!!!」


「いや、違うんだ。そういうわけではないんだ。ただ、、」


「ただ??」


「もう少し待ってほしい、すまない」


「何でですか!?シュテンさんの言葉はいつも軽いんですよ!!心の底や本心を絶対見せる気がないんです!それなのに心を開いてるように振舞ってこっちがなにか聞いてものらりくらりかわして!!!」


「そんなこと..........」


「そんなことないって言えますか!?シュテンさんが過去のどんなことがあったかはわかりません。もしかしたらそれが想像を絶するくらいしんどい出来事でトラウマになってるのかもしれません。でも、だからって私は納得いかないです。結局こっちのことなんてなんも考えてないんです。自分を卑下して『いついなくなってもいい』なんて言って浸ってるだけなんですよ。だからこっちだって一歩踏み出せないんですよ」


「....................すまない」


「もういいです、寝ます」


ーーーーーーー


・・・・・


「あ、明日さ、あの仕事終わったあとのことなんだけど」


「………………………」


「あ、でも明日じゃなくてもいいかも」


「いきます」


「そっか、ありがとう。ちゃんと全部話すから」


「そうですか」


「うん、怒ってる、、、??」


「別に」


「そっか。ごめん」


「なんで謝ってるんですか」


「いや、うん、そうな、なんでもない」


「どこで待ち合わせですか?」


「えっとね、あのいつもの広場に仕事終わったら来てほしい」


「わかりました」



「ほんとに俺は君に救われたんだ、それは簡単なことなんかじゃなくて、えっとごめん。おやすみ」


「……………おやすみなさい」


ーーーーーーーーーーーーー


「おきたか」


「ここは?」

見覚えがない天井に戸惑う


そうだあの後、約束したとこにいってもいなくて……………しばらく待っても来なくて、そしたら火が、悲鳴が、いやな予感がして急いだんだ。


そしたら……………そしたら……………まひるさんは、まひるさんは



「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」






  

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