第5話
「おはようございます」
あの日から五日が経過し彼女との不思議な生活を送っていた。朝目覚め、挨拶をし一緒に食事をとる。
(人との飯なんて何年ぶりだろうか、、、)
前世では流れてくるカップルチャンネルに低評価を押すのが仕事だった俺にとって夢のような状況だった。
「またそんな薄着で寝て、、、風邪ひきますよ。全く、、」
腰に手を当てて怒るまひるさん
(なんだこの生き物は、、、、可愛い、くぁいい。可愛すぎる)
可愛すぎるだろ、まじで。どうなってんだよ
「投げ銭したい」
「なんですかそれ?」
「お金をあげたい」
「一文無しのくせに??」
そういって小首を傾げる彼女を見て腕をまくる
「強盗してくる!!待っててくれ!」
そう俺は今彼女のひもなのだ。前世はとにかく顔がいい奴が憎く、ひもなんて言語道断だったため、今の状況はよろしくない。
「やめてください!!もう、馬鹿なこと言ってないで早く朝ごはん食べますよ」
「本気なのに、、、」
「よりやめてください。犯罪者は二度と帰ってこれないんですから」
少しむくれた顔で歩いていく
いつまでもひもなんてしてたらその内彼女に愛想つかされるだろう。
(まずいな。仕事探すか)
しかし、四年間引きこもりをしてて仕事はおろかバイトすらしたことない俺にできる仕事なんてあるのだろうか。正直ビビっている、ついこの間まで団長などという大層な肩書がついていたが仕事をした記憶なんてほとんど無い。
そういえばあの国は何故あんなにも多くの武力を
異様なまでの情報の徹底、外部の
まひるさんから聞いた話をもとにまとめてみると
・イノにとってドグは神様のような存在らしい
・犯罪を犯したものや体がでかくなりすぎたものはfarmとやらに連れてかれるらし
い
正直俺はあの国で
(とんでもねえ奴らだな、、、)
「ん。テンさん、シュテンさん!!」
気づけば目の前にまひるさんの顔があった
「可愛い」
「なにいってるんですか、考え事ですか??」
小首を傾げる仕草に胸がバクバクする
「可愛すぎる、お金あげたい」
彼女を前にするとIQが2になる
「もう、、、、しらないです」
呆れた顔でむくれる
「あああああああああああああああああああああああ」
「なんですか!?!?」
「かっわいいいいいいいいいいいい」
「うるさい!!」
若干切れてる彼女をみて我に返る、嫌われたら死ぬ
「ごめん、嫌わないでくれ」
少し泣きそうになりながら
(情緒どうなってんだ)
「もう、、いいですよ。早く朝ごはん食べましょ」
そういって仕方なさそうに笑う彼女にすでに心を奪われていた
(幸せだな)
今なら死んでもいいのに死にたくない、この楽しい時間で終わりたいと思いつつ、永遠に続いてほしいとも思う。とことん自分勝手な性格に嫌気がさす。
「ああ、寒いからあったかい物が食べたいな」
「我儘言わないでください。無職なんですから」
呆れた声色が心地いい
(とりあえず、つかの間の幸せを楽しみますかね)
______
「じゃあ、行ってくるわ」
「気を付けてくださいね」
心配そうな彼女とは裏腹に俺は能天気だった
「ういうい、大丈夫だって」
「落ちたもの食べない、人に喧嘩を売らない、寄り道ばっかしない!」
「はいはい」
「はいは一回、おいしいご飯作って待ってますね」
そういい微笑む彼女は何より綺麗だった
____
(腹いてえ、、、、、)
約束した当日になると急に行きたくなくなる現象に誰か名前を付けてほしい。
いやほんとにやる気はあったんだよ、そん時はやる気に満ち溢れていたのに今は死ぬほど行きたくない。
(さぼるか、、、)
『行ったけどダメだったわ』って言えばすむ話だしな
「よし、さぼろう。俺にまだ早かったんだ」
その時ふと、毎日だらだらしてる俺を見かねて仕事を紹介してくれた彼女の顔が目に浮かぶ。仕事に対して
『今はよくてもこの先困りますよ』
そう言ってくれたのだ
そう、先のことを考えてくれてる。俺のために。
思えば前世でも皆チャンスはくれてたんだ、俺が
「また逃げるのか?」
自分に問う
ここで逃げたら、この世界でも逃げ続ける人生になるだろう。逃げることが
前世と比べてどうだ?外にも出れてて、しっかり寝てご飯を食べれてる。そして何より一度失った筈の恋をする相手がいる。
「よし」
そういって歩く鬼神の顔は何よりも自信に満ち溢れていた..........仕事の面接だけど..........
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