第3話 思考

今までの私は、自分に非がないことの証明として、なんでも隠さず正直に提示していた。

でも、自分を守るために隠しごとをすることも必要なのかもしれない。

嘘だって同じ。今までずーっと、正直であることがいいことで正しいことだと思っていた。だから、なんでも馬鹿正直でいたが、どれだけ正直でいても誰も加点してくれない。

私を監視カメラごしに別室で監視してポイントをくれる人もいない。

私の行動の一部始終を知っているのは私だけで、私を守れるのは私だけ。

昔、祖母に要領が悪いと言われたことがある。

馬鹿丁寧に毛布についた毛玉をとっていたが、大雑把にパッパッと毛玉を根こそぎ引っ張っていた祖母のほうが早く毛玉取り作業を終えていた。

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