第8話 スキル発動!

「『にゃー』」


スキルを使うことにした私は、早速猫の鳴き真似をした。

すると効果はすぐに出た。明らかに目線が低くなっている。

一方、私が消えたことに驚いた、領主の息子(仮)たちが、辺りを探している。

私はその隙を見て、泣いていた子どもに声をかける。


「『君、怖かったでしょう。後は猫さんが、家に連れて帰ってあげるから、静かに着いてきてくれる?』」


私が言うと、泣いていて子どもは、嬉しそうにうん!といった。

やっぱり猫は可愛いもんね!


「『じゃあ行こうか。』」


そういうと私はゆっくり、静かに歩き出した。


〜〜〜


一方、領主の息子(仮)達は私と泣いていた子どもが消えたことに気づき、

怒りの声を上げていた。


「許さない。俺はここで誰よりも偉いのに。」


「そうですよ。デルフィン様。そうだ!あいつなんか、この領にいるのにふさわしくない。追い出しましょう。」


「おぉ!その手があった。お前達よくやったな!」


「「それほどでも。」」


「これであいつも、行き場がなくなるはずだ!」


領主の息子(仮)達はそう言って、笑い続けた。


〜〜〜


「猫ちゃん、送ってくれてありがとう。」


私は無事、泣いていた子を送り届け、家に帰りはじめていたのだが、ここで問題が発生した。

そうだ。猫から戻れなくなったのだ!

普通にまずい。戻れ〜とか念じてみたけど、全く元にもでれない。このまま家に帰っても、お母さんに猫として扱われて、一生猫だと思われ続ける。

話したとしても、うちのお母さんなら幻聴とかだと思いそうだし。

お父さんも冒険者として働きに出て、国外にいるのでたまに仕送りが送られてくるぐらいだ。

しょうがないので、猫になる前にキュラス(スキルを含む)の話を唯一しているリオの家まで行って、何とかしてもらうことにした。

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