第5話 スキルをもらいました

「あなたは、確か動物が好きだったわよね…」


あれ?私の好みの話なんかしたっけ…

まぁ女神様だし、もう今日は日常だったらありえないことばかり起きてたから、もうこのくらいじゃあ驚けないや。


「あ!あのスキルとかどうかな?」


「どんなスキルですか?」


「見ててね。」


『にゃー』


猫の鳴き声がして、辺りを見渡してみたら女神様がいたところに、お利口に猫が座っていた。


「あれ、女神様どこに行ったんだろう…」


『ここここ。』


私の正面から声がしたので、前を向いたが、やっぱり、猫が座っていた。


「やっぱりいないなぁ…」


『ラナンさん、ラナンさん。』


女神様の声はするが、見渡してもどこにもいない。

一か八か、私は女神様を呼んでみた。


「女神様〜。どこですか〜。」


『ここですってば。この猫が今の私なんです。』


猫がそう喋った。

えっと私が驚き固まっていると、猫がにゃははと口角をあげて笑った。

どうやら女神様だで間違いはないようだ。


「なんで猫になってるんですか?」


思わず聞くと、


『それは、私がラナンさんに譲渡しようと思っているスキルの試運転です。変身した感じ、大丈夫そうだったのでこのスキルでいいですか?』


「あの、ところでそのスキルは、猫になれるスキルですか?」


いつの間にか人型に戻った女神様が話し始めた。


「いえいえ。鳴き真似をした動物に変身できるスキルです!名付けるならそうですね…『鳴き化け』とでも名付けましょうか。」


「名付けるってことは、他に誰も持ってないスキルってことですか⁉︎」


「まぁそうなりますね。私が今作りましたから。」


「今 ⁈」


「はい。でも、さすがに人前で突然鳴き真似をするのは恥ずかしいですよね…そうだスキルの『鳴き真似』もをつけしますね!」


「助かりますけど、そんなにスキルもらっていいんですか⁉︎」


「はい!お話を聞いてもらったお礼です。」


「話を聞いた件は、むしろ私も楽しかったので問題はないんですが…」


「本当ですか⁉︎じゃあお友達になってください!」


「全然いいですよ」


「じゃあ敬語はなしにして、私のこともキュラスとお呼びください。」


「えっでも、女神様をそんな呼び方で呼ぶ訳には…」


「私がいいと言ったからいいんです。それよりも、キュラスと呼んでください!」


「分かりました。だったら、私のこともさんをつけずにラナンとお呼びください。」


「分かったわ!」


キュラスが少女に見えるのは気のせいだろうか…

なんとなく気のせいじゃない気がするけど…

そんなことを考えていたら、キュラスが何かを手渡してきた。

渡されたものを見ると、どうやらネックレスのようだ。


「これは?」


私がたずねると、キュラスは待ってましたとでも言わんがばかりに話し始めた。



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