第3話 成人式

リオに担がれること約10分。

成人式の会場にたどり着いた。


「着いたぞ。」


そう言うと、リオは私を降ろした。

りおに降ろされた私は、仮にも連れて行かれたわけだけど、お礼を言わないのは、なんだか違う気がして、ありがとうとお礼を伝えると、リオは目を大きく開けた。


「どうしたの?」


と私がたずねると、


「わるい。やっぱお前は変わってるなって思って。」


「変わってるって、ひどい。」


純粋にそう思ったのでそう告げると、


「いい意味でだよ」


と言われた。変わってるって、いい意味ではないだろうと思った私は、ジーっとリオを睨んでいると、わるいわるいとまた謝ってきた。


「そんなことよりも、そろそろ成人式始まるぞ?」


リオがそう言ってきたので時計を見てみると開始3分前になっていたので、私たちは慌てて席についた。

そのころちょうど時間になっており、成人式が始まった。

神父さんの長ったらしい話ははしょってスキルの譲渡が始まった。

私は、後ろから3番目の予定なので、じっと他の人の様子を見ていた。スキルがしょぼくて騒ぎ出す人もいたが、良いスキルで、ガッツポーズをしている人もいた。

なんか、終わっていた人の会話を聞いていたら女神様と話して、人間性を見られスキルが決まるらしい。


あえて、女神様の前では、利口にするって人もいたけど、しょぼくれていたから、効果はなかったようだ。

血を取るのが関係あるのかな?なんて思っていたら、リオの番がやってきた。


手に、ナイフを当て、出た血を魔法陣に垂らしている。

その様子を見守っていると、突然ガクッとリオの力が抜けて倒れた。

どうやら、女神様に呼び出されたようだ。そのまま何分か見守っていると、突然リオが起き上がった。スキルの譲渡が、終わったようだ。

神父さんにお礼を伝えたと思われるリオが席に戻ってきた。


「どうだった?」


私が聞くとリオは、


「『隠密』だってよ」


「すごいじゃん!あのいろんな剣士が欲しがってるスキルでしょ?剣士を名乗ってるだけはあるねぇ」


「まぁな」


そう言いながらリオはこっちに向かって微笑んだ。後ろの3メートルぐらい離れたところで、女の子がこっちを見て、ふあぁと言いながら倒れたのは気のせいであってほしい。

まぁそんな他愛のない会話をしていたら、ついに私の番になった。

神父さんのところまでたどり着きナイフを受け取った。そのナイフを私は手に当てる。

地味に痛いなぁなんて考えていたら、血が魔法陣まで垂れたのだろう。私の意識は無くなった。

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