第2話 成人式に行かされました。
「と言う訳で、ちゃんと成人式行くのよ?」
いやいやいやいや逆になんで今の話を聞いていきたくなると思ってるの?
私は突っ込むべきかと思ったが私が突っ込むのよりも早く家のベルが鳴った。
それを聞き逃さなかったお母さんは、私が怒るのが目に見えていたのか
「私、お客さんの相手してくるね!」
と逃げるように去っていった。
全く、どっちが子どもだかわからなくなりつつあることに私は危機感を覚えていると、
「お客さん、ラナンに用事があるって!」
お母さんがそう呼びに来るので、私は
了承の返事をし、玄関に向かうとそこには幼馴染であるリオが立っていた。
「よぉラナン。」
微笑みながら私に手のひらを見せてきた。
「どうも。ところで要件は?ないなら返すけど。」
成人式に行きたくなくて、家にこもってるのに、連れ出されたら意味がない。そんなことを考えているとリオが口を開いた。
「ひでえなぁ。それに何って決まってるだろ。」
だからそれを教えてよと言おうかと思ったが、その前にリオが口を開いた。
「もちろん、お前を成人式に行かせるためだよ。」
それを聞いた瞬間私がドアを閉めようとしたらリオに片手で阻止された。
さすが、剣士を名乗っているだけあって、普通に強い。
「おいおい。せっかく迎えにきてやったのに、追い返すなんてひどいなぁ〜」
そう言いながら私を捕まえ、
「それじゃあおあばちゃん、ラナン連れてくぜ?」
といった。
それを聞いて、私はお母さんに、断ってくれ!っと念を送ったが、その念は届かなく、
「任せたよ!」
と言う了承の返事が返ってきた。
「おかあさ〜ん」
と希望を込めてお母さんを呼んでみたが、ははっという笑い声しか返ってこなかった。
帰ったら、一発食らわそう。そう心に決めた私は、片手で担がれながら、成人式に向かっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます