第1回放送 深夜ラジオ ep.4

 そう繰り返すばかりで彼女は何を探しているのか、忘れ物はなんなのか、一向に教えてくれません。もしかしたらロッカーの方に入ってるかも知れないと廊下に出ようとすると


 、と。


 まるで耳元で囁かれたような声でした。驚いで振り返ると彼女は教室の真ん中あたりの自分の机あたりにいて、まだごそごそしています。

 ぞわりと背筋に悪寒が走りました。


 いつもどおりの彼女です。

 いつもどおりの教室です。

 いつもどおりの放課後のはずです。

 それなのに────


 いないはずの彼女がいないはずの教室で何かを探す


 そう感じました。


>>pause<<

 

 

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