第1回放送 深夜ラジオ ep.3

 私にはいつも遊んでいる同じ中学の友達がいます。

 学校の中でもいつも一緒にいますし、放課後、休日なんかもよく遊びます。

 ある日、その友達が体調を崩して休んだんです。

 季節の変わり目だったのでそんなこともあるかな、でも心配だな、と。

 スマホでメッセージを送ったら生きてるよ〜とか返ってきたので、大したこと無さそうなら学校終わったらお見舞いと称して顔見に行こうと思っていました。

 放課後、教師に呼び出されて職員室から教室に戻ってきました。


 そうしたら、なんと、そこに休んでいたはずの友人がいたのです。

 彼女は何かを探している様子で自分の机の近くにしゃがみ込んでゴソゴソとしていました。

 状況が一瞬理解できず、教室の入り口に立ち尽くしていると、彼女が徐に立ち上がりこちらを振り返りました。

 いつもどおりの彼女でした。

 いつもどおりの黒髪、いつもどおりの制服、いつもどおりの少し右に重心の片寄った立ち方、なのに。


 どうしたの、今日は休みだったんじゃ無かったの、大丈夫、と声をかけました。

 すると彼女は忘れ物をした、と言うのです。

 そんなに急ぎなら言ってくれれば持って行ったのに、と告げましたが返ってきたのは気のない返事で、またごそごそと探し物に戻ってしまいました。

 一緒に探すから、となにを探しているのかと尋ねました。


 大丈夫大丈夫。


 いいから、教えて。


 大丈夫大丈夫。


>>pause<<

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