第7話 日常が戻った一幕

笹原優花ささはらゆうかを振って帰路についた高2の夏。気分は上々、スキップしながらでも余裕だ。

最近はかなりドタバタだったのあるが、ずっと趣味にしているゲームとラノベ。明日から土日に入るし、1日くらい趣味に費やしても構わないだろう。

何をしようかと、どんな引きこもりニートの生活をしようか迷っていた、そのとき、スマホに着信が。相手は相川蒼夜あいかわそうやだった。


「もしもし?どうした、蒼夜」


「もしもーし、お疲れ、伊織。すっぱり優花を振ったんだってな?あいつから連絡きたわ(笑)」


電話越しでも聞こえてくる、蒼夜の嘲笑う声。こいつ、なかなかいい性格をしてやがる……。

まあ、笹原優花ささはらゆうかを振ったのは俺なんだけどな(笑)


「ああ、なんとか振れて気持ちもすっきりしたよ」


「そりゃあよかった、ところでさー、お前今から明日まで暇だったりしない?」


「どちらかと言うと暇だよ、ゲームとラノベ読むくらいしか」


「やっぱりな!俺ん家泊まらね?夜遊びしようぜ〜〜」


蒼夜も、生粋のゲーマー。格ゲーからホラー、FPSまでなんでもこなすオールラウンダー。そんな蒼夜からの誘いは、どちらかと言うと断れないような気がした。


「今帰路だから、家帰って荷物準備して行くわー、持っていくものとなんか要るものあるか?買っていくぞ」


「助かる!夜遊び用のお菓子とエナドリ、あとはお前が遊べる道具と服とモバイルバッテリーと金と……」


「多いな!……まあ、持っていくわ」


「ういー、よろしく!」


電話が切れた。現在17時、ちょっと急ぐか。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


家の冷蔵庫は空。蒼夜が誘ってくれて助かった。制服をすぐさま脱いでハンガーに掛け、私服に。ダボーっとした、黒がメインの服。

カバンに泊まり用の服など、蒼夜から指示されたものを乱雑に詰め込み、家を後にする。鍵はしっかり閉めた、元栓も確認した。

ワクワクが止まらなく、買い物は楽しく感じた——。


「大分買ったな……」


普段なら絶対に買わないような金額である、3000円以上も買ってしまった。大半がエナドリとお菓子だが……。

そんなことなんて気にしてられない、早く蒼夜の家に行かないとな。


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【祝 1000PV!】彼女に振られて何故か転生した俺、転生先で元カノに告られて困っています 七瀬瑠華 @NanaseRuka

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