第3話 登校、そして
ずっと教室に来なかった生徒がいる。名前を、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「…制服一式あるのなんでだよ」
不登校のはずの神楽伊織、何故か制服一式、鞄も持ってました。いやおかしい。とりあえず着てみた。うん、そんな予感はしてたけど格好いいな。
そう。
休みを挟んでいたため、2日振り…じゃなくて、神楽伊織として行くのは多分半年振りとかじゃないか?1年生の時は学校に来ていたとか聞くし。よくある転生物は、本当に何もかもが新鮮だと思うんだが、自分の場合は学校も変わらないため、転生したとは思えない。一歩一歩を重ねて、学校へと歩いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一番後ろの一番隅。最高のポジションの席である自分の教室に向かった。2-A。いつもと変わらない風景。後ろのドアを開けた瞬間に、教室がざわっとした感じがした。
「え?あいつ誰?」「なんかイケメンじゃね?」「転校生??」「え、やばいめっちゃタイプ」
みたいな感じ。笹原優花はというと、
「ぁぁぁぁぁめッッッッッちゃタイプなんだけど!!」
って叫んでました。はい。クラス担任が普通に入ってきて、朝のホームルームが始まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
なんとか授業受けきった。何度も寝落ちしかけたが、まあ良しとしよう。
「…もう帰ろうかなぁ」
特に学校ですることもないので、さっさと帰ってゲームがしたい。教室を出て、下駄箱に向かう。
下駄箱に無事到着。誰にも声を掛けられずに済み、下靴を取り出すと、
「体育館裏で待ってます」
それだけ書かれた1枚の小さな紙切れがあった。
「……どうしようかな」
そう言いつつも、俺は体育館の方へと足を運ぶ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
体育館裏まで着た。誰もいなかった。はぁ…。
家に帰ろうとすると、後ろから肩を叩かれた。
「待って下さい」
びくっ、となってはっと後ろを向く。立っていたのは笹原優花だった。
「…どうしました?」
「あの、神楽くん」
彼女はそこで一回息を切って、思いもしなかった言葉をぶつけてきた。
「好きです、私と付き合って下さい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます