第3話 登校、そして

ずっと教室に来なかった生徒がいる。名前を、神楽伊織かぐらいおりと言う。


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「…制服一式あるのなんでだよ」


不登校のはずの神楽伊織、何故か制服一式、鞄も持ってました。いやおかしい。とりあえず着てみた。うん、そんな予感はしてたけど格好いいな。新島誠にいじままことの時よりも全然格好良く、少しテンションが上がる。明日、この服装で学校へ行くのが少し楽しみなったのだが、学校にはあいつがいる。


そう。笹原優花ささはらゆうかだ。



休みを挟んでいたため、2日振り…じゃなくて、神楽伊織として行くのは多分半年振りとかじゃないか?1年生の時は学校に来ていたとか聞くし。よくある転生物は、本当に何もかもが新鮮だと思うんだが、自分の場合は学校も変わらないため、転生したとは思えない。一歩一歩を重ねて、学校へと歩いた。


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一番後ろの一番隅。最高のポジションの席である自分の教室に向かった。2-A。いつもと変わらない風景。後ろのドアを開けた瞬間に、教室がざわっとした感じがした。


「え?あいつ誰?」「なんかイケメンじゃね?」「転校生??」「え、やばいめっちゃタイプ」


みたいな感じ。笹原優花はというと、


「ぁぁぁぁぁめッッッッッちゃタイプなんだけど!!」


って叫んでました。はい。クラス担任が普通に入ってきて、朝のホームルームが始まった。


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なんとか授業受けきった。何度も寝落ちしかけたが、まあ良しとしよう。


「…もう帰ろうかなぁ」


特に学校ですることもないので、さっさと帰ってゲームがしたい。教室を出て、下駄箱に向かう。


下駄箱に無事到着。誰にも声を掛けられずに済み、下靴を取り出すと、


「体育館裏で待ってます」


それだけ書かれた1枚の小さな紙切れがあった。


「……どうしようかな」


そう言いつつも、俺は体育館の方へと足を運ぶ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

体育館裏まで着た。誰もいなかった。はぁ…。

家に帰ろうとすると、後ろから肩を叩かれた。


「待って下さい」


びくっ、となってはっと後ろを向く。立っていたのは笹原優花だった。


「…どうしました?」


「あの、神楽くん」


彼女はそこで一回息を切って、思いもしなかった言葉をぶつけてきた。


「好きです、私と付き合って下さい」

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