第2話 神楽伊織ってどんな人?

学校の帰り道、車に轢かれて転生し、神楽伊織かぐらいおりへと『魂の転移』をなんとか成功させた。


まずは、神楽伊織がどんな人物だったのかを調べることにした。俺は周囲をきょろきょろと見渡す。木々が生い茂った森だった。そういえば、神が


「神楽伊織は若くして亡くなった」


とか言っていたような気がする。わざわざ森に来て亡くなった。1人でそっと……やべぇ、怖え。

とりあえず歩いてみよう。森を抜けた先が一体どうなっているのかが知りたい。落ち葉の上を一歩、二歩…と進んでいると、何かを落としたような音がした。


「…あ、スマホだ」


足元には、黒いカバーに少し赤色の混じった最新型のスマホがあった。電源をつけると、ぱっと画面が明るくなり、今の時間が表示される。

上へとスライドすると、4桁の暗証番号を打たないといけないとなった。


「くっそ…めんどくせぇな」


数字だけだったので適当に打っとけば当たるだろう。0000と入力すると、あっさりと通ってしまった。位置情報を確認してみる。


「…なんだよ俺の家の割と近所じゃねえか!」


転生する前の新島誠にいじままことのときの家の近所だということが判明した。

少しの間森を彷徨っていると、とても大きな一軒家が見えてきた。表札を見ると、『神楽』と書かれていた。今回の家か。なるほどなるほど…


ドアは開いていて、家の中を覗いてみると、本当に何もなかった。まるでもぬけの殻状態。鏡が立てかけてあったので、自分を見てみる。


「すらってしてて、少し茶色の入った黒髪短髪、いかにも運動ができそうな体…。何これラノベの主人公かよ」


何このイケメン。と思いつつ空を仰ぐ。天井には電球だけ。そりゃあそうだ。


とりあえず、神楽伊織は超絶才色兼備だということがわかった。そういえば、明日学校なんだよな。この地域だとあいつと同じ学校になってしまう。そういえば、うちのクラスにずっと不登校の人がいる。そうか。その人が神楽伊織なのか。なるほどなるほど…。

って、明日あいつに会わないといけないのか?えぇ…困ったな…

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