第31話 神が作りしアーティファクト
「蔵に置いてある掃除機だけど、持って帰っても良いかな?」
「ええ、いいわよ」
「それじゃあ、街から戻ってくるまでに用意しておくわね」
「うん、ありがとう」
今回、先に村へと立ち寄ったのは、型落ちして蔵の肥やしになっている全自動お掃除機
それは、ご近所の人も含めて何か買い物が無いかどうかの確認のためだった。
村から街までは、私たちの住む魔王城より近いとはいえ20km以上離れている。
そのため、誰かが用事で街へ行くときには、ご近所の人が必要としている分も一緒に買って帰る習慣があり、おじ様が当初家を留守にしていたのは村長の家まで行って買物リストを確認しに行っていたからだった。
「とりあえず、これだけ買ってきておいてくれ」
おじ様はそう言いながら、ユーリーに書き写した買い物リストを手渡した。
「で、これが購入費用とお駄賃だ」
品物は、時々で物価が変わることがあるため、購入費用は少し多めに貰っている。
「それでは、行って来ます」
こうして私たちは、街へと馬車を走らせた。
トコトコと馬車を走らせて、街に着いた時にはとうにお昼を過ぎていた。
まずは依頼主の下へと訪ねたのだけど、やはりというか依頼主とユーリーは顔見知りであった。
『いつも済まないねぇ』という言葉と共に依頼主のおばあさんは受領書にサインをするとユーリーに手渡す。
彼女の優しい笑顔に見送られた私たちは、再び馬車の中。
「先にギルドに行く?」
「お腹も空いているし、お昼を食べてからにしようよ」
そう言ってくれて、心の中では助かったと思ったのは内緒である。
私たちは、前に食事をしたレストランへと向かい遅いお昼を食した後、ギルドへと足を運んだ。
「あら?マリアちゃんにユーリー君。こんにちは」
ギルドに入ってすぐ、アリシアさんは優しいの笑顔で迎えてくれたのだった。
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