第26話 お母さんみたいなのが好みなのかしら
テレビに映し出された人物は、私の良く知っている人にそっくりだった。
「えっ!?あれって、ユーリーのお母さんにそっくりじゃない?」
「そっくりも何も、若い頃のお母さんだね」
ユーリーに驚いた様子は全くない。
「昔に一応女優をしてたって、事あるごとにお父さんが誇らしげに言っていたからね」
「へぇ…そうなのね」
「まぁ、ユーリーのお母さん、色々凄いものね」
何が凄いのかは言わないけれど。
私は、自分の慎ましい体を一瞥しながら、そう思った。
そんな話をしている間に、ユーリーのお母さんはストーリーから去ってしまった。
もう、このドラマに戻ることはないだろう。
「このドラマを最後に、お母さんは引退したんだ」
「そうなの?」
「うん」
「お母さんは、あまり売れて無かったらしくて」
「だから、その話が出るたびに恥ずかしがっているんだけど、お父さんは大のファンだったから空気読まなくて」
「ふふっ、余程大好きだったのね」
「みたいだねぇ」
そして、手が止まっていた食事を再開して食べ終わった後、ユーリーは洗い物をしに再びキッチンへと去って行く。
私も行くと行ったけど、やっぱり止められた。
とりあえず、ユーリーの言うとおり今日はおとなしくしておくことにする。
その後、私たちはお風呂にそれぞれ入って、寝室で一緒におやすみしたのだった。
(はっ!?そういえば、これって!?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます