第3話 国家機密

「それにしても、どうすれば魔王になることが出来るのかしら」


魔王城に住んでいるからと言って、別にパパもママも魔王というわけではない。

パパ達のパーティ一行が魔王を討伐した後この城に住み着いた、というだけなのだから。


「そうだわ。ママはこういう時にいつもネットで調べていたわね」


そう思い、居間に置いている家族共有のノートパソコンを立ち上げて、GoloGoloの検索エンジンで【魔王になる方法】と検索ワードを入れてリターンキーを押した。


「…有力な情報は何もないわね…Wakipediaでも検索してみようかしら」


Wakipediaでも検索してみたものの、そもそもページすら存在しなかった。


「はっ!?まさか、これって国家機密情報!?」


そう思った私は【"魔王になる方法"】【"国家機密"】の検索ワードをGoloGoloから入力しようとしたところで、居間にやって来たユーリーが口を開いた。


「夜の食事の用意が出来たよ、マリア」


「あら、もうそんな時間だったのね。今行くわ」


私はそう言うと、ノートパソコンをそっと閉じる。


「また、明日に調べたらいっか」


こうして、私はユーリーお手製の料理を楽しんだのだった。

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