劣勢
籠城開始から早いことで既にもう一週間は経過した。
ここまでくると、常に敵の猛攻を受け続けたことで
「我らは何ぞや」
そのような中で僕が出来るのは周りの士気を高めるために前線に立って声を張り上げること。
戦場で、士気を切らせるようなことはあってならない。
「「「我ら、ラステラの剣!万物を打ち砕く剣なり!」」」
そんな僕の言葉に答えるように部下たちも声を上げる。
「我ら何ぞや」
再び僕は続ける。
「「「我ら、ラステラの剣!万物を打ち砕く剣なり!」」」
そして、部下もまた答える。
「よろしい、ならば行こう。敵を打ち砕くために」
「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
「とつげきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
僕は誰よりも前に立って敵の方へと突っ込んでいく。
「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
ラステラ家に仕える騎士たちと共に僕は一つの槍となって敵の一団へと突っ込んでいく。
守ってばかりじゃ駄目だ。
攻撃は最強の防御。
僕は部下を率いて敵に穴をあけると共に無双することで味方の士気を高揚させていた。
「そっちだ!左からの圧力が弱まった!一当たりするぞっ!」
僕は部下たちすべてに届くよう声を張り上げながら剣を振るっていく。
魔法は出来るだけ使わない……魔力の節約である。
「反転っ!そちらは罠っ!だが、敵は浮足った!引き上げて別だ!」
己の嗅覚を信じながら敵の行動を予測、対処。
僕は部下たちと共に大量の敵に囲まれながら攻勢を強めていく。
「……っ」
そんな中で、僕は一瞬だけ砦の方に視線を送る。
確かに囲まれた……でも、まだぶち抜いて帰ることもできる距離だ。
「我に続けぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええ!!!」
まだ、まだ引くべきときじゃない。
僕は部下たちを奮い立たせるべく声を上げながら突貫を繰り広げる。
そんな様子を、既に心が折れかけている砦の防備に当たるものたちも見ていてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます