畢生

 たった一つの言葉も知らぬ、

 まだ応えるすべも知らぬ、

 そんな私に、あなたは愛を伝えた。


 私が言葉を得て、

 激しい感情を表し、

 時にそれらに支配されようと、

 あなたは私に愛を伝え続けた。 


 その身体が錆び付き、徐々に言葉を奪われ、日夜を問わず訪れる決して抗えぬもの、それによって精神が脅かされ、遂には自身が何者であるかさえ見失おうとも、あなたは私の名を忘れはしなかった。


 私から去る時でさえ、その愛は少しも失われてはいなかった。最早それを確かめる術はない、あなたはあなたを失ってしまったのだから。


 だが、私の心に刻まれたあなたの愛は、あなたが失われようと失われはしない。


 あなたはその肉体、その悲哀の洞窟から解き放たれ、存在からの完全な自由を永遠のものにしたのだ。




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