第8話 就寝体勢
生徒A「寝る時が寒過ぎて、全然体があったまらないー、早く冬なんて終わってくれー」
生徒B「わかるわー、特に布団に入った時のヒヤッとする感じがとかさー、あったかくなるまでの時間が最悪なんだよなー」
生徒A「そうなんだよー。ようやく、温いって思っても、ちょっと体を動かそうものなら、また極寒ゾーンに足を踏み入れて最初から温め直さないといけないだろー。もう寝返りすんなっちゅー話なわけよー。春が好きだー、早くー」
生徒B「うちの親は、あったかくなる毛布みたいの使っててずるいんだ。あれ最強なんだけど、ただ逆に熱すぎるんだよなー」
息子「・・・・・・」
生徒B「なあ、お前はどうなん?」
息子「あっ、そうそう。夜寒過ぎてやばいよ、そりゃ」
生徒A「てか、お前いつも元気じゃん。体育も半袖お前だけだし、なんか超いい攻略法あるんじゃないのか?」
息子「ないない、ある訳ないー。・・・・・・ただ強いて言えば・・・・・・、寝る体勢かなー」
生徒B「体勢?どういうことー?」
息子「お前らどういう姿勢で布団入ってる?」
生徒B「姿勢?たぶん普通にまっすぐ仰向けで布団入ってるけどな、なあ?」
生徒A「まあ、俺もそうだよ。んー、たまにうつ伏せとか、寒すぎる時は、丸まって入る事もあるけど、結局足伸ばしたいから、まっすぐ入るなー」
息子「お前ら、布団の中であぐらかいたことあるか?」
生徒A・B「あぐら?」
生徒B「布団の上に座ってことかよ?」
息子「ちがう、ちがう。足をあぐら組むみたいに布団に横になって入るだよ」
生徒A「なんだよ、それ。全然わからねぇよ」
息子「いや、だから・・・・・・、鉛筆と紙貸して」
生徒A・B「おおー」
生徒B「こんな格好で辛くないのかよー」
息子「全然!これをやると、布団に入っても寒くなくて、グッスリよ。朝には自然とあぐらが溶けていい感じになって目が覚めるんだよー」
生徒A・B「おおー」
生徒A「早く帰って試してー」
生徒B「俺もー」
翌朝
生徒A「おはよー」
息子・生徒B「おはよー」
生徒A「えーと・・・・・・、お前、昨日のやつやった?」
生徒B「うん・・・・・・、やった。ちょうどその話してたんだけど・・・・・・」
息子「どう?すごいだろ!実はにいちゃんに聞いた方法なんだよー」
生徒A「あっ、そうなの・・・・・・、なんて言うか・・・・・・」
息子「うちさー、布団極薄なんだけど、この方法試してから、氷点下だろうがへっちゃらになっちゃったんだよー。すげーだろ!他のやつにも教えてもいいぜ」
生徒A「あっ、あぁー。そうなのー」
生徒B「もしも、もしも、だれかに言う事があれば、お前ん家が発見したすげー攻略法ってことで話すよ。一応」
息子「攻略法ってほどじゃないけどな!まあ、意外と知られてない裏技的な寝方だよな。ははっ」
生徒A・B「・・・・・・そうだな」
息子「頼むぜ。チャイムなる前に便所行ってくるわー」
生徒A「お前実際どうだった?」
生徒B「あ?ああ、正直全然ダメだった・・・・・・」
生徒A「だよな?俺もすぐ足伸ばしたわ。窮屈だよなー」
生徒B「そう、あんな格好で眠れないよなー」
生徒A「・・・・・・でもなー」
生徒B「・・・・・・ああ・・・・・・」
生徒A「あんなキラキラした顔で言われたら、なんも言えないよなー」
生徒B「なぁー」
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