第4話 給食
生徒A「ごちそうさまでしたー」
息子「なあ、なあ、それ残すの?」
生徒A「これ?うん、まぁ、残す」
息子「そしたら、もらうよ」
生徒A「・・・・・・。そりゃダメだろ」
息子「残すの勿体無いだろう、まだ食べれんのにー、くれよー」
生徒A「いやいやいや、配る前ならともかく配られた食べ物は俺の物だろ。俺の物は俺がどうしようが勝手だろー。お前にはやらないってー。卑しいなー」
息子「なんだよーそれ、残したら捨てられちゃうだけなんだからいいじゃないかよー」
生徒A「だから、卑しいんだよー。なんか嫌だなー。もうこのまま片付けるよ。いいな」
息子「ちょっと待って!よく考えろよー。ニュースみてないのかよー。SDなんちゃらってよくやってるだろ。アレだよ、アレ」
生徒A「SDGsだろー、それくらい知ってるわ」
息子「お前、俺にくれないでそのまま片付けたら、SDなんちゃらのかなりの項目数に抵触違反する事になるぜ」
生徒A「はっ?SDGsも言えなかった奴がなに難しい話にしてるんだよー」
息子「いやいや、そういう事なんだよー。令和よ今。細かい事だよ。細かい事だからひとりひとりの意識が変わらないと世界が変わらないんだよー、分かるか?」
生徒A「なんかすげー話になってきたけど、世界規模の話なんかな、これー?」
息子「そうだよ、お前だって地球に住んでるひとりだろう?これは資源だよ資源!」
生徒A「・・・・・・。わかるよ、わかる。言ってることは分かるけどさー。こんだけ言われると逆に嫌だわ・・・・・・。環境うんぬんじゃなくて、考え方の問題ね」
息子「もう!ください!!お願いします!」
チャイム
生徒A「ああ、もう給食おわりだよー」
息子「ねっ、早く。お願いします!その端に付いてるきんぴらのゴボウ一本をどうかください」
生徒A「あー、もう分かったよ。食っていいよ。ほら」
息子「うそっ!やったー。きんぴら大好きなんだよー。サンキュー、あんがとー」
生徒A「こんな細いゴボウ一本で良くそこまで粘れるな・・・・・・」
息子「マジで給食のきんぴらが俺の中で最高なんだよー」
息子「うん、うまーーーーい♪」
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